
ほとんどのユリは、ウイルス病に感染しています(スカシユリ)
Q
ユリの葉が枯れたり、下葉が散ってしまうのは何故でしょう?
A
ユリの葉が枯れたり、下葉が落ちたりするのは、ウイルス病の症状です。
◎ウイルス病に負けない丈夫な苗を
ユリはウイルス病に感染しやすく、
ほとんどのユリはウイルスに感染しているといわれています。
しかし、たとえウイルスに感染していても、
丈夫に育っていれば症状がでないことが多いです。
そのため、まずはウイルスに負けないよう環境を整え、
丈夫に育てるように心がけましょう。
ウイルス病には、モザイク病、急性落葉病などがあります。
ユリのウイルス病として最も多いのはモザイク病で、
葉に緑色の濃淡ができたり、
葉脈に沿って黄褐色の斑点ができたり、
葉が変形したり茎が曲がったりし、
球根の肥大化にも悪い影響を及ぼします。

ウイルスに負けない丈夫なユリを作ります
◎品種に合った環境作り
ユリは環境が合わないとすぐに病気になってしまうので、
栽培する環境を、できるだけ整えてあげます。
一般的に過湿を嫌い、水はけの良さと風通しの良さを好みます。
日当りは、系統によって日当りを好んだり、半日陰を好んだりしますので、
その品種の好みの環境を確認して、栽培します。
残念ながらウイルス病の症状が強く出てしまった場合は、治療法はありません。
株ごと抜き取り、処分しましょう。
◎アブラムシの除去
ウイルス病はアブラムシが媒介するため、アブラムシの防除が
ウイルス病対策につながります。
見つけ次第防除します。
シルバーストライプマルチを敷いたり、
まわりをシルバーテープで囲んでも効果があります。
ただしこの方法は、生育が進むとアブラムシの飛来防止効果は低下します。
農薬を散布する場合は、各薬剤の使用方法をよく読んで使用しましょう。
必ずマスクや手袋、ゴーグルなどをして、
農薬を浴びたり吸い込んだりしないようにします。
また、農薬は濃度が濃ければ良いというものではありません。
正しい倍率に希釈すると効果的です。

風通しの良いところを好みます
また、ウイルス病に侵された茎葉を切った、
ハサミなどの器具からも感染するので、
花などを切る際は、健全な株から始めましょう。
ウイルス病に感染しやすい品種と比較的強い品種があります。
ウイルス病にかかりやすいのはオリエンタル・ハイブリッド系で、
アジアティック・ハイブリッド系や、
ロンギフロラム・ハイブリッド系はウイルス病に強い方です。
もし、暖地など蒸し暑く、ユリの生育に適さない地域の方で、
毎年ウイルス病に悩まされているようでしたら、
ウイルス病に強い系統のユリを選ぶとよく育ちます。
■参考
・ユリ 育て方 12ヶ月
・カノコユリ(鹿の子百合)の育て方
・カサブランカ(ゆり、百合)の球根の植え方
・カサブランカの育て方
・鉄砲百合(てっぽうゆり・テッポウユリ)の育て方
・黒百合(クロユリ)の育て方、栽培方法
・スカシユリ アジアティックハイブリッドの育て方