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1月〜2月には発芽します(テッポウユリ)



発芽せずユリの球根が腐ってしまったのですが、
どうしてでしょうか?


ユリの球根が腐る理由は、いくつか考えられます。

◎球根腐敗病によるもの
球根腐敗病は、フザリウムという糸状菌の一種が原因の病気です。
栽培中よりは、貯蔵段階で罹ることが多い病気です。

まず、鱗片に褐色の斑点が現れ、
次第に球根がやわらかくなり腐敗していきます。

発芽後に発症した場合は、まず球根と根が侵され、
その後、塊茎や鱗茎などに広がり、褐変に腐敗させていきます。

そのため、地上部では、まず茎や葉が黄色くなって枯れ始め、
やがて株全体が枯れてしまいます。

球根に傷があると、そこから病原菌に侵され、発症しやすくなります。
予防としては、植え付け時に薬剤処理をします。

球根を水で洗い、乾燥しないよう日陰で水切りをしたら、
200倍のチウラム・チオファネートメチル水和剤溶液に30分間浸して消毒します。

消毒後は風通しの良い日陰でしばらく乾かしてから、
早めに植え付けます。乾かしすぎないように注意します。

また、球根腐敗病は土の中の病原菌が原因となるため、
連作しないことも大切です。

どうしても連作する場合は、定期的に薬剤を散布し、消毒します。
トップジンMゾル・水和剤やオーソサイド水和剤、ベンレート水和剤などを、
2〜3週間に1回、株元に施します。


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この状態ですと発芽ができません


◎微生物、カビ、軟腐病によるもの
球根腐敗病の他にも、保存中の球根が赤く腐っていることがあります。
これも、土中の雑多な微生物によるものです。

また、青カビ病、軟腐病などもあります。
いずれの病気も土中の微生物が原因で、球根の傷などから侵入するため、
球根購入時や植え替えの際は、球根を良く観察します。

鱗片がよく締まっていて傷のない、良い球根を選び、
植え付け前にしっかりと薬剤処理をするようにしましょう。

さらに、ユリは過湿を嫌うため、
粘土質の土壌のように土の粒子が非常に細かい用土や、
堆肥などの有機物が半分以上を占める用土など、
水はけが悪い用土に植え付けると、球根が腐りやすくなります。

鉢植えの場合は、清潔なゴロ土を鉢の1/3程度入れ、
水はけよく管理すると球根腐敗の発生率が格段に低くなります。

■参考
・ユリ 育て方 12ヶ月
・カノコユリ(鹿の子百合)の育て方
・カサブランカ(ゆり、百合)の球根の植え方
・カサブランカの育て方
・鉄砲百合(てっぽうゆり・テッポウユリ)の育て方
・黒百合(クロユリ)の育て方、栽培方法
・スカシユリ アジアティックハイブリッドの育て方
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