
オリエンタルハイブリッド系のオトメユリ
Q
ユリを秋に植え付けると球根が傷んだり凍りませんか?
A
本来、ユリの球根は乾燥に弱いため、球根の状態で保管すると
品質が低下するので、できるだけ早く植え付けたほうが良いです。
ユリの球根は一般的に寒さに強いため、秋に植え付けるのが普通です。
実は、秋に植え付けた球根は休眠している状態で、
生育に適した温度になっても発芽しません。
休眠から覚めて新しい芽を出すためには、
一定期間、低温にあう必要があります。
そのため、一般的にユリの植え付け適期は10月以降とされているのです。
しかし、鹿児島や沖縄原産のウケユリやテッポウユリは耐寒性が強くないため、
北国では庭植えは避けて鉢植えにし、冬期間は屋内に取り込んでおきましょう。
一方、スカシユリ、ヤマユリのハイブリッド系の品種の耐寒性は高いため、
北海道でも、積雪下にあれば問題ありません。
しかし、雪のない状態で強く凍結すると、
こうした品種でも球根が凍傷を起こして傷むため、
雪が少なく寒さが厳しい地方では、
鉢植えにして屋内に取り込むなど、配慮します。

寒さにはやや弱いテッポウユリ
◎ユリ 球根の保存方法
やむを得ずユリの球根をすぐに植え付けることができず、
保管する場合は、乾燥させないように注意します。
ユリの球根は、チューリップなどのように表面が皮で保護されていないため、
乾燥に弱く、乾燥させると球根が傷んでしまいます。
保管する場合は、湿らせたピートモスやおがくずと一緒に、
ポリ袋に入れ、涼しい場所で保管します。
袋は完全密封せず、上の方に数カ所空気の通る穴をあけておきます。
しかし、ユリの発根適温は9〜13℃と低いため、
冷蔵庫の中でも根は伸びてきます。
これは、一定期間低温にあって休眠から目覚めた球根は、
1℃の低温でも根を出すためです。
春になって植え付けても、特に暖地では生育は思わしくないため、
ユリの球根は早めに植え付けるのが安心です。
発芽を抑えるためには、冷凍して保存します。
品種によって最適温度は異なりますが、
−0.5〜−2℃くらいで貯蔵すると良いでしょう。
■参考
・ユリ 育て方 12ヶ月
・カノコユリ(鹿の子百合)の育て方
・カサブランカ(ゆり、百合)の球根の植え方
・カサブランカの育て方
・鉄砲百合(てっぽうゆり・テッポウユリ)の育て方
・黒百合(クロユリ)の育て方、栽培方法
・スカシユリ アジアティックハイブリッドの育て方