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オニユリの園芸種
Q
地上部が枯れたので植え替えのために掘り返したら、
ユリの球根がなくなっていました。
花後の管理が悪いとユリの球根がなると聞いたのですが、
本当にそうなのですか?
A
ユリは、花を楽しんだ後はどうしても無関心になりがちですが、
実は、球根が本格的に肥大するのは、花が終わってからの時期です。
前年の秋に植え付けたユリは、芽を出し、つぼみが膨らむ頃までは、
根から吸収した養分や光合成で得られた養分ももちろん使いますが、
球根の養分も使うため、植え付けたときよりも球根の重量は軽くなります。
花が終わってから、ようやく球根が肥大する余地が生まれるともいえます。
そのため、花が終わった後に花がら摘みをしなかったり、
お礼肥や追肥をしなかったりすると、
球根の肥大が不十分で、翌年あまりよく生育しなかったりします。
また、コガネムシの幼虫やネズミ、モグラに食べられた可能性もあります。

育てやすいテッポウユリ
■ユリの球根がなくなる原因
しかし、球根がなくなってしまう最も大きな原因は、
フザリウム菌による球根の腐敗がほとんどです。
球根の腐敗のしやすさはユリの系統や品種によって大きな差があります。
ササユリやヤマユリなど野生種の多くは球根の維持が難しいです。
また、オリエンタル・ハイブリッド種は総じて球根が腐敗しやすく、
球根の維持の難易度=栽培の難易度ともいえるでしょう。
球根の腐敗のしやすさは、地温にも影響され、
地温が高いほど球根は腐敗しやすいです。
そのため、冷涼な地方ほどユリが育ちやすく、
また、育てられる品種が多くなります。
これは、もともと原種のユリは冷涼な気候を好むものが多いことと、
関係が深いといえます。
球根の肥大のしやすさも地温と深い関係があり、
種類によっても異なるのですが、20℃以下を最適としています。
しかし、地温を下げるのは、特に庭植えにおいては非常に難しいため、
暖かい地方では、球根が腐敗しにくく、
暑さにも強い品種を選んで栽培すると良いでしょう。
カノコユリは花数も多く育てやすいです
■具体的なお勧め品種
・原種では
テッポウユリやオニユリ、カノコユリ、
キカノコユリ、リーガルリリーなど。
・園芸種では
トランペット・ハイブリッド種や、OTハイブリッド種
(オリエンタルとトランペットの交雑種)、
橙色系のアジアティックハイブリッド種など。
■参考
・ユリ 育て方 12ヶ月
・カノコユリ(鹿の子百合)の育て方
・カサブランカ(ゆり、百合)の球根の植え方
・カサブランカの育て方
・鉄砲百合(てっぽうゆり・テッポウユリ)の育て方
・黒百合(クロユリ)の育て方、栽培方法
・スカシユリ アジアティックハイブリッドの育て方