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外気がマイナス20℃でも雪中温度はマイナス5℃くらいと言われます


北海道など寒地では、バラの育て方に多少の違いがあります。

こちらでは、バラの中でも特に人気が高く多く出回っている、
ハイブリッドティーローズを北海道で育てる方法を紹介します。


■大苗の植え付けと春の剪定

まず、最初に北海道といっても非常に広い土地ですので、
南部・中部・北部・東部に分けて考えていきます。

南部は函館、中部は札幌、北部は稚内、東部は釧路を想定します。

大苗の植え付け、剪定の時期も、地域によって違いがあります。
道南であれば、4月の中旬頃、中部であれば、4月中旬〜下旬頃、
道北であれば、4月の下旬頃、東部であれば、5月の上旬頃が適期とされます。


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夕霧 Yugiri


■防寒対策

北海道の南部地方であれば、
株のところに支柱を立てビニールタイで、
結束したまま越冬します。

北海道の中部地方であれば、
積雪の被害を回避するために、
株を掘り下げて、横に倒しておく方法も有効です。

北部の寒い地域では、株に保護資材を巻いて結束します。
中部同様、横倒しして越冬させるようにします。
この農業用保護資材には、ポリエステル性の繊維不織布が良いでしょう。

東部は北部よりも寒い地域となりますが、
この場所では、株を掘り下げて、穴を作り、
その中へ株を埋め込んで越冬させます。
この時の穴の深さはだいたい60センチ前後が最適です。

真冬の寒い時期は、このような防寒・積雪対策が必須となります。
北海道だけではなく東北や甲信越などの積雪が予想される地域で、
ハイブリッドティーローズなどバラを育てる場合は、
十分対策を立てておくと安心して栽培でき開花が楽しめます。


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マダム サチ Mme. Sachi


■開花時期

開花時期の目安は、北海道南部で6月中旬〜下旬頃、
中部では6月の下旬、北部では6月下旬〜7月上旬、
東部で7月上旬となります。
肥料を与えていれば夏も開花できます。


■秋の剪定

剪定時期は、南部と中部で8月上旬頃、
北部は7月終わり〜8月5日頃まで、
東部は7月下旬頃までが目安となります。


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ローズ ゴジャール Rose Gaujard


■栽培管理

 
P、K(リン酸、カリ)の多い有機質の肥料を1株に対して150グラムほど、
5月〜9月ころまで、毎月株元に施します。

樹の様子を見ながら液体肥料の1000倍液を、毎月2回、1株に対して、
2リットル〜3リットルくらいを目安に与えます。

・病害虫と薬剤散布
梅雨時に乾燥しているので黒星病の心配はほとんどないのですが、
朝晩の温度差が大きいためうどんこ病に注意します。
害虫では、ハダニ、アブラムシ、コガネムシに気をつけます。

無農薬で育てることは難しいバラですので、
的確に散布して病害虫の防除に努めましょう。

ニッソランV乳剤、オルトラン水和剤、サブロール乳剤、ミラネシン水和剤、
この4つの薬剤の混合液(1000倍)を、10日に1回散布します。
期間は5月下旬頃より9月中旬頃までが目安となります。
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