
イチジクの芽生え、樹勢が強い果樹

イチジクの果実が割れてきたら収穫!
イチジク(無花果)は、クワ科の落葉高木で、
地中海沿岸地方の原産です。
イチジクの果実は爽やかな甘さで、
やわらかい食感で人気のある果実です。
イチジクは、山に自生するほど堅強で、
栽培しやすく生育旺盛な果樹です。
イチジクには受粉しなくても結実する品種もあり、
鉢やプランター栽培も楽しめます。
*イチジクの鉢植えの栽培方法は、下記をご覧ください。
・イチジクの育て方 鉢植え|育てやすいが水切れに注意して
[イチジク 庭植えの育て方]
■栽培条件と品種の選び方
・栽培条件
−8℃以下になる場所では栽培が難しいです。
雨の少ない温かい地域で、よく育ちます。
品種を選べば北海道南域まで露地で栽培できます。
・品種選び
日本では夏秋果兼用種で実が大きい桝井ドーフィン、
低木にも栽培できるブラウンターキー、
樹勢の良い蓬莱柿(ほうらいし)、
秋果専用種で甘みが人気のネグロラルゴ、
ホワイトゼネア、セレストなどがあります。
夏果は成熟が梅雨と重なるので、
秋果種を選ぶと良いでしょう。
コンパクトに栽培したい場合は、
樹勢のあまり強くない品種が育てやすいです。
苗木は、挿し木苗が多く、
購入したら3月まで仮植えしましょう。
■植え付け時期と場所
・植え付け
イチジクの植え付け適期は、3月が最も良く、
秋から梅雨でもだいじょうぶです。
芽吹いた後に植え付けする場合は、
根を崩さないようにそっと植え付けます。
梅雨以降は、たっぷりと水を与えます。
・植え付け場所
植え付け場所は、水はけの良い肥えた土地が適します。
雨が降った後に水たまりになるような場所は、避けてください。
弱アルカリの土が適すので毎年苦土石灰を少し施します。
■仕立て方と剪定から収穫まで
・仕立て方
イチジクは樹勢が強いので、
どのように仕立ててもほぼ花芽がつきます。
庭が広くなく横長などに仕立てるよきは、
左右に2本伸ばす一文字仕立てにすると良いです。
4本で杯状(コブレット)仕立てにして、
支柱で支えてあげると、見応えのある樹形にできます。
・剪定
夏果専用種では、夏から秋に結果枝(けっかし)の先に、
夏果をつけた状態で越冬して、翌年の夏に結実します。
ですから冬にすべての枝を剪定すると結実しません。
冬の剪定は、20cm以上のものだけを切り詰め、
残した枝先に結実させるようにします。
秋果専用種は、春から伸びた新梢の、
節ごとに花芽がつきます。
1〜2月に、2〜3芽残して側枝を切り戻します。
また、4月〜5月に、日当たりと風通しを良くするために、
枝が混み合っているところを、透かすように数回剪定します。
・施肥
春や実のなったあとお礼肥として、
有機肥料、あるいは緩効性化成肥料を、
株の周囲の土にすきこみましょう。
・摘蕾と摘果
翌年の結実数を減らさないためにも、
その年になる実を減らしてあげます。
小さな形の悪い果実、虫食いの果実をメインに、
結果枝1本あたり3〜5個になるように摘果しましょう。
・収穫
果実の成熟を早めるために、
サラダオイルを実の先に1〜2滴落とす、
オイリングをするとよいでしょう。
こうすると、収穫が1週間早まります。
果実の先端が割れてきたら、収穫のときです。
追熟ではおいしさが出ないので、
木につけたまま完熟させます。
イチジクの白い液にはかぶれる場合もあるので、
手袋をして収穫します。
■参考
・イチジクの鉢植えの育て方