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アスパラガス(檜山支庁厚沢部町)


春の野菜として人気の高いアスパラガスは(Asparagus)、
ユリ科の多年草です。

収穫したてを味わうことのできる家庭菜園で、
ぜひ挑戦してみたい野菜です。

収穫期が終わっても、葉が風に揺れる姿は、
とても美しくで楽しめます。


■アスパラガスのプランター栽培

・栽培環境
アスパラガスにとって、良い環境を作ってあげれば、
プランター 栽培でも、鉢植えでも立派にできます。

アスパラガスは太陽が大好きです。
日当たりの良い場所でがっちりと育てます。

寒さや暑さには強いですので、
日除けや防寒などは特別必要ではありません。


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最初はひょろひょろですが……


・植え付け
アスパラガスはタネから育てることもできますし、
市販されている苗や根っこだけの株などから育てることもできます。

ただ、アスパラガスは発芽から収穫するまでに、
3年ほどかかると言われています。

タネから育てるのも楽しいですが、
3年も待ってられない!という時は、苗や株をお勧めします。

一般的な苗や株でも、
植え付けから1年〜2年は待つ必要があります。
1年生株なら翌々年の春から、
2年生株なら翌年の春から収穫することができます。

最近では植え付けた年にすぐ収穫できる、
3年生株も販売されています。

どうしても今年から収穫したいという場合は、
3年生株を植え付けるようにしましょう。 


植え付けの時期は、根っこだけの株の場合は2月〜4月です。
苗は少し遅くて、4月〜6月になります。

・容器
アスパラガスは根の生育が旺盛で、
深さも幅も1mを超すと言われています。

そのため、植えるプランターは、ジャンボプランターなど、
できる限り深さと広さがあるものを選びましょう。 


大きいプランターで2株が栽培の目安です。

根っこだけの株を植え付ける場合は、
長く伸びた根を横に広げるようにして植えつけます。

ポット苗を植え付ける時は、大きく根を広げる必要はありません。

用土は水はけと水もちのよいものを選びましょう。
市販の野菜用培養土でもかまいません。

プランターの底には鉢底石を敷き、
水がプランターの底に溜まるのを防ぐようにしましょう。

◎袋・トロ箱作り
培養土の大袋を縦にして口をあけ、下方には排水の穴を開けたものに、
アスパラガスの苗を植えつけたり、専用のガーデンバッグもあります。
同じ大きさのトロ箱2個を用意し、1個は底をくりぬいて、
2段に重ねて深さを出した容器を使ったりするのも良いでしょう。


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花が可愛らしいです(5月)


・水やり
アスパラガスは過湿も過乾燥も苦手です。
土が乾いたら、しみ出てくるまでたっぷりと水を与えます。

土の表面がじめじめしているようであれば、
水は与えずに様子をみて、乾いてから与えるようにします。

また、プランターの下に受皿を置いている場合は、
受皿に溜まった水も捨てるようにして根腐れを防ぎます。


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実もきれいです(8月)


・冬越し
秋も深まり、だんだんと寒くなってくると、
夏の間茂っていた地上部が、少しずつ黄色く変色してきます。

変色したら、地上から5cmくらいのところで切り取ります。
切り取った後、切り取った枝葉を、
適当な長さに切って、土の表面にかぶせておきます。

覆うことで防寒になります。
また秋に変色するまでは、必ず枝葉を残すようにします。 


アスパラガスは枝葉の緑色の部分で、
光合成をして栄養を作り、地下にある根に溜めます。

翌年は根に溜めた栄養によって、新しい芽を出すので、
根を十分に肥らせなかった場合、
ひょろひょろの芽しか出てこないことがあります。

変色するまではしっかり枝葉に太陽の光を浴びせ、
栄養を作るようにしましょう。

3月頃になったら、かぶせておいた枝葉を取り除き、
土の表面を軽く耕します。

耕すことで水が入りやすくなり、
新鮮な空気も入りやすくなるので株が活性化します。

・施肥
地上部のない冬の間は、特別肥料を与える必要はありません。

根や芽が動き出す3月頃、春の収穫が終わった6月頃、
休眠準備に入る9月に化成肥料を一握り程度与えるようにします。

肥料にも種類がたくさんありますが、野菜用のものなどで十分です。
窒素、リン酸、カリの比率が同一のものを選ぶようにしましょう。


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甘味もコクもあり、とても立派に育ちます


・増やし方
数年栽培していると、冬前に枝葉を切った後に株が盛り上がってきます。
これは根がプランターに対してパンパンに育っている証拠です。

5〜6月に株分けして株を増やします。
プランターから土ごと抜き、
丁寧に根の周りについている土を落としていきます。

すでに次に出てくる芽がいくつか出ている状態だと思いますので、
1株に芽を2〜3個つけるようにして、
よく切れるナイフなどで切って株分けします。

株分けしたアスパラガスは、
同じ方法で、プランターなどに植え付けます。
この時、元の状態で使っていた土は使わないようにします。 


アスパラガスは自分で出した成分により、
自家中毒を起こし連作障害になることがあります。

元の土にはその成分が残っていることがあるので、
新しい用土を使うようにしましょう。


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アスパラガスの収穫(日高支庁新冠町)


■収穫

2〜3年目で収穫を始めます。
2年目は、少なめに収穫し、株の生長を図ります。

3年目に、本格的に収穫します。
新芽が15〜20pに伸びたら、地際から切り取ります。

新しい芽はたくさん伸びてきますが、
収穫し過ぎて株に力がなくなると、
翌シーズンの収穫に悪影響しますので注意します。


■病害虫

アスパラガスにつく害虫はいくつかありますが、
その中でもジュウシホシクビナガハムシという虫が、
一番被害の出る可能性があります。

この虫は新しく出てきてこちらが収穫したい、
と思っている新芽を食害するので、
見つけ次第捕殺するのが望ましいです。

予防することも重要です。
プランター栽培の場合は、目の細かい防虫ネットなどを、
かぶせて防除するのが一番簡単です。

また、冬の間害虫は株の近くの落ち葉などの下で過ごし、
春になると活動を始めます。

アスパラガスを植えてある近くの雑草や落ち葉などは、
きれいに取り除いておきましょう。

■参考
・アスパラガスの栽培|タネ、苗から育てたときの収穫時期は?
・アスパラガスの育て方と栽培方法
・アスパラガス 植え替え

(2014.04.06改訂)
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