■ウイルス病とは?

ウイルス病、別名モザイク病(mosaic disease)とは、ウイルスが原因で起こる、葉に白っぽいまだらが発生する植物の病気のことです。ウイルス病を生じるウイルスには、キュウリモザイクウイルス(CMV)とタバコモザイクウイルス(TMV)によるものがあります。
ウイルス病は、4〜10月に、草花、野菜、らん類など多くの植物に発生します。

ウイルス病はモザイク病とも呼ばれるように、特徴として発病すると葉や花弁に濃淡のまだら模様ができ、モザイクのように見えます。同時に株が萎縮する、葉が縮れたり小さくなる、黄色くなるなど、様々な症状が全体にあらわれます。
ウイルス病の原因となるウイルスは非常に小さく肉眼や一般の顕微鏡でも見えません。アブラムシが植物の汁を吸うときにウイルスを吸い込んで、そのまま次の植物に感染させます。アザミウマ、コナジラミ、ハダニなども媒介しますし、水や汚染された剪定バサミを使うことで感染します。
ウイルス病は、感染した植物を挿し芽、挿し木、株分けで増やすとウイルスも運んでしまいます。空気感染はありません。人間には無害です。


■ウイルス病の予防と対策

ウイルス病は感染したら治療する方法はありません。発病した株は早めに抜き取り処分しましょう。芽かき、剪定、誘引、収穫などのときは、できるだけ発病株と思われるものに触れないようにします。また発病の危険性がある株の育成管理は、最後に行うと良いです。
薬剤による感染の予防は、ウイルスを媒介するアブラムシなどを徹底的に退治することです。ですから、銀色のシルバーポリマルチ、ムシコンなど、アブラムシの嫌いな反射光を利用します。汁液感染を防ぐには剪定や株分けのときに、使用するハサミやナイフを使うたびに熱処理をします。第三リン酸ナトリウムの飽和液、レンテミン液剤などが適しています。
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