biwa1.jpg
ビワの結実


ビワ(枇杷、Eriobotrya japonica)は、
バラ科の常緑高木およびその果実をさします。
ビワは、育て方が比較的優しい果樹です。

ビワは中国から江戸時代に渡来した果樹で、
日本各地で育てられ、親しまれています。

ビワの木は寒さに比較的強く常緑で、
緑の濃い葉の間からシルバーの新葉が見えるようすは美しく、
庭木としても見栄えがよく育てやすいのでお勧めです。

鉢・コンテナでも栽培できます。
蕾や花は寒さが苦手です。
やや寒い地域では晩生種を選ぶと良いです。

東北や新潟でも実をつけますが、
温暖な気候が好きで、おいしい果実をつけるには、
房総半島以西の太平洋側の暖地が、
栽培にいちばん適しています。


ビワ栽培環境品種選び方

・栽培環境
11月〜2月に開花しますが、
つぼみや花、果実は低温に弱く、
−5℃以下になるところでは、
防寒対策がするようにします。

・品種選び
暖地で栽培する場合は、いずれの品種でも元気に育ちます。
冬に少し気温の低い地域では、
晩生種の「田中」などが適しています。


biwa2.jpg
ビワの花


植え付け時期場所

・植え付け
植え付け時期は、6月、9〜10月、3月ごろに植え付けができますが、
一般的に3月下旬が最も適しています。

・苗選び
幹がずんぐりと太く、節間が短く詰まり、
葉が大きな苗を選ぶようにします。
株元や根にコブのできる、
ガンシュ病に感染していることがあるので、
信頼できる販売者から購入します。

・土質
ビワは、乾燥に強いですが、過湿には嫌いますので、
水はけの良い肥えた土壌に植えます。
土質は弱酸性土にしましょう。

通気性の良い土にするとよく根を張り、
木も葉色も実も立派になります。

・植え付け
直径50cm、深さ50cmの穴を掘り、
堀り上げた土の半分に腐葉土、油かすを混ぜて埋め戻し、
その上に何も混ぜていない土を戻してから植えつけます。

根鉢は3分の1ほど崩し、枯れた根などを除き植えつけます。
深植えにならないように注意してください。

植えつけた後、不要な枝を切り取り、
水をじゅうぶんに与えます。
その後は、ひどい乾燥が続かなければ、
水やりの必要はありません。

苗木を植えつけてから結実するまで、
苗木や品種により異なりますが、
2〜5年くらいかかります。

・植え付け場所
花や幼果は低温が苦手なため、
冬でも暖かい日差しのある場所が最適です。


仕立て方剪定収穫

・仕立て方
ビワの果実は、枝先になるので、
樹形が大きく広がりがちです。

2〜3本の主枝を横に寝かせて誘引する、
開心自然形仕立てにするとよいでしょう。

・剪定
ビワの剪定は、つぼみが大きくなる前、
9月上旬〜中旬に行います。

植えた翌年に、主枝とする2本を残し、
ほかの枝は切り取ります。
主枝は下に誘引して、横に寝かせるようにします。

2〜3年は、ビワの剪定は、ほとんど必要がなく、
混んだ枝を秋に切ってあげる程度です。
枝の先端部は切り返しません。

4〜5年目経ったら、数年実をつけた枝を、
更新させたい枝の上で切り詰め、
新しい勢いのよい枝にします。

主枝は数年ごとに更新するのがよく、
主幹近辺の新梢は予備枝として残します。

・施肥
3月と9月に、株のまわりに混合肥料を施します。

・摘蕾と摘果
すべての花を結実させると、実が小さくなり、
樹も弱るので摘蕾をします。

花房数が多いときは、
開花前に半分から3分の1に蕾を減らします。

さらに開花後の12月頃、摘果をします。
1花房に5〜6段ある果房を、2〜3段にします。

果実が大きくなる4月上旬に、
葉25〜30枚に1果くらいになるように、
1果房あたり3果くらいを残して摘果します。

・袋かけ
4月下旬〜5月上旬、袋がけをします。
そうするとみずみずしい大きな果実に育ちます。

・収穫
ビワの果実が黄色く色づき、
芳香を放ち始めたらいよいよ収穫です。


biwa3.jpg
ビワでフルーツゼリー


ビワ利用方法

ビワには、血圧・血糖値の改善、
下痢止め、鎮痛・鎮静作用などの効果があります。
ビワの葉の裏に生えている毛を、ふきんなどで拭い去り用います。
ビワの葉をお茶、お酒、お風呂などに入れて利用します。

しかし、とくにビワの葉やタネの採り過ぎは、
逆効果で危険と言われていますので、注意してください。

ビワの果肉は、多く食べても問題はありません。
ビワは、コンポート、タルトや、
ゼリー、ケーキ、プリン、ジャムなどにすると美味です。
カレー、サラダ、ドレッシング、肉料理の付けあわせにもおいしいです。

■参考
・ビワの育て方と利用方法
・ビワ 種からの育て方
・ビワ 実がならない理由は?
・ビワ 鉢植えの育て方
・ビワの肥料は?
・ビワの剪定 図解

>>ビワの苗の品種と値段を見てみる

>>わかりやすい果樹栽培方法については「初心者の果樹栽培」をご覧ください
 カテゴリ
 タグ