
ナバナ、咲く前に収穫します
■ナバナ 栽培データ
英名・学名 rapeseed blossom・brassica rapa var. amplexicaulis
形態 一年草
原産地 日本
草丈/樹高 50cm〜60cm
開花期 11月〜4月
花色 黄色、白
栽培難易度(1〜5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 普通
特性・用途 耐寒性が強い、初心者向き、収穫期が長い
■ナバナ 地植えの育て方
・栽培環境
ナバナ(菜花)できるだけ日当たりの良い場所で育てるのが良いですが、
日当たりが少し悪いぐらいでも育ちます。
ただし、日照時間によっては、生育がいちじるしく悪くなったり、
花蕾がつかないことがあるので気を付けます。
ナバナの中にも、早生や晩生があり、
品種によって収穫の始まる時期が違います。
できるだけ早くから収穫したい場合は、早生種を選びます。
また、和種と洋種があり、それによって育てる時の株間も違うので、
種袋などを、よく確認しておきます。
・土作り
種を播く2週間以上前までに土作りを済ませておきます。
ナバナを育てる場所を20cmほどの深さ掘って、よく耕します。
土がよく耕せたら、1uあたり完熟堆肥2kg、化成肥料80g、
苦土石灰100gを加えてよく混ぜます。
化成肥料は有機質配合のものがおすすめです。
ナバナは、生育期間が6〜7ヶ月と長いため、
途中で土が痩せてしまわないように有機質肥料をたっぷりと入れます。

ナバナの畝づくりの例
・畝
ナバナは品種や育て方によって、株間や条間が変わります。
株間は15cm〜35cm、条間は20cm〜25cmとることを前提とし、
育てたい株数を計算して畝の長さと幅を決めます。
*例えば畝幅60p、条間20cm〜25cmの2条まきにし、
間引きながら本葉5枚ごろまでに株間15〜20cmにします。
畝の高さは10cmほどが基本ですが、
排水性が悪い場合は、15cm〜20cmと高畝にし水はけを良くします。
・種まき
種まきの適期は、だいたい9月〜10月頃です。
品種によっては8月下旬頃から播けるものもあります。
種のまき方はすじ播きです。
条間が20cm〜25cmになるように、
支柱などの棒や板で5mmほどの深さの播き溝を作ります。
溝に1cm間隔に種を置き、土を軽くかぶせてから表面を手で抑えます。
種まきが終わった後は、水をたっぷりと与えておきましょう。
発芽からの間引きに気を遣います
・間引き
発芽がそろったら、間引きを始めます。
本葉が5枚〜6枚になるまでに、
株間が15cm〜35cmになるように間引きをします。
長期間収穫するためには、株を大きく育てる必要があります。
株を大きくするためには、株間を十分にとることが重要です。
反対に、柔らかい葉や茎、花蕾を少量ずつ収穫したい時は、
株間を狭めて育てるようにします。
・水やり
種播きから発芽までは、土が乾くと発芽しにくくなるため、
できるだけ乾かないように管理します。
発芽した後から本葉が数枚になるまでも、
根がまだ弱いため、様子を見ながら水を与えるようにします。
株がしっかりしてくる頃には、気候も涼しくなり、
土が乾きにくくなってきます。
降雨だけでも済むことがありますが、
土が乾燥していると感じたら、水を与えるようにしましょう。
ナバナは極度の乾燥には弱いです。
水切れを起こすと、葉が硬くなったり、葉先が傷んだようになったり、
最悪の場合は枯れてしまうこともあります。
かといって過湿の状態にすると、根腐れを起こしやすくなります。
最適な水管理は難しいかもしれませんが、
土の状態をこまめに確認し、乾いていたら水やりします。

自然に咲く菜の花もいいですね
・肥料
品種によって、追肥を開始する時期が違います。
年内から収穫が始まるものは、花芽が見えてきたら追肥を開始します。
化成肥料の場合は、1か月に1回のペースで与えるようにします。
液体肥料を与える場合は、1週間に1回のペースで与えるようにします。
年明けから収穫が始まるものは、2月頃から追肥を開始します。
与えるペースは、年内から収穫が始まるものと同様です。
いずれの品種も、長期収穫となるため、定期的な追肥が欠かせません。
肥料切れを起こすと、側枝からの花蕾の発生が遅くなり、
収量がかなり減ってしまいます。
どちらの肥料を与える場合でも、
忘れずに期間を守って追肥をするようにしましょう。

ナバナの収穫
・収穫
主茎が20cm〜30cmほどになり、花蕾ができたら収穫を開始します。
花蕾は開いていない状態の方が柔らかいため、
花が開いてしまう前に収穫するように注意します。
花蕾から12cm〜15cmほどの長さで切って収穫をします。
その後、側枝が発生してきた後、そこにまた花蕾がつきます。
側枝の花蕾を収穫した後、さらに孫枝が出て、
花蕾がついて収穫ができるようになります。
春には生育スピードが速くなり、側枝や孫枝の発生も旺盛になるので、
とり遅れがないようにしましょう。
■病害虫
・害虫
アブラムシやイモムシ類がつくことが多いため、
対策をしておいた方が無難です。
種を播いた後、すぐに防虫ネットや寒冷紗で、
畝を覆うようにしておきましょう。
ネットは水や風は通すので、
水やりのためだけにネットをはがす必要はありません。
追肥や間引き、収穫の時にはネットをはずして作業をしますが、
作業が終わったらすぐに元に戻すようにしましょう。
・病気
株が大きくなって、風通しが悪くなってくると、
病気にかかることがあります。
傷んだり枯れた葉はそのままにせず、
できるだけ取り除いて株周りを清潔に保つようにします。
栽培後半、株が大きくなりすぎた場合は、
不要な枝を切るのも風通しを確保することにつながります。

酢味噌和えも美味です
■ナバナの利用方法
菜の花の茎の固い部分を切り落とし、
軸の固い部分を切り落とし、
沸騰したお湯に塩を加え、さっと数秒ゆでます。
菜の花の青さが増す程度に、
シャキッとした歯ごたえがあるように、
湯通しする感覚で軽くゆでるのがコツです。
こうすれば、菜の花のビタミンCを保つことができます。
お勧めレシピは、おひたし、からし和え、わさび和え、
一夜漬け、サラダにも良いです。
さらに、スパゲッティー、かきあげ、天ぷら、
ピザの具、おすしの具にもぴったりです。
汁の実、スープ、麺類のトッピングにもおいしいです。
*家庭菜園のナバナは無農薬で育てられ、ほろ苦く甘い味も格別で驚かれるはずです。
プランター栽培でも手軽にできますので、ぜひお試しください。
>>ナバナ プランターの育て方
(2015.10.01改訂)