挿し木(挿し芽)は、種子をつけない植物や、
高価な植物、観葉植物のように種子が入手しにくい植物、
ハーブなどを増やすのに良く利用されます。

・挿し木の気温と時期
気温が20度〜25度くらいで、日が長い方が良いので、
梅雨頃がいちばん良く、初秋も条件が良いです。
5〜7月・9月が適切です。

・挿し木の鉢・箱の置き場
明るい日陰で強風のあたらないところに置きます。
真夏はできるだけ涼しい場所に置きます。

発根促進剤をつけると発根率が高まります。
日中しおれていても、夜に元気になる場合は問題ありません。

・挿し木の水やり
土を乾かないように管理します。
水の変わりにメネデールを適正な量で薄めて使用すると、
挿し穂が弱り難く、発根率がよくなります。

メネデールとは、園芸用の活力剤で、
挿し木、株分け、植え替え、種まき、弱った植物の回復、
切り花の水揚げ、ハイドロカルチャーやアクアリウム、
などに活用でき備えておくと便利です。

・挿し木の用土
新しい鹿沼土または「さし木の土」
パーライト、バーミキュライト、ピートモスの単用などが良いです。
排水性、保水性の優れたもので肥料分のない土を使います。


挿し木しかた方法(バンマツリの例)

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できるだけ新芽の部分を、5〜10センチ、
カッターやはさみなどで斜めにカットします。
カットした挿し穂を、1時間ほど水につけて水揚げさせます。


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挿し穂を水揚げさせた状態。


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挿し穂の葉をカットし、水分の蒸発を防ぎ、
また挿し穂が動かないよう下の葉もカットします。


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今回は赤玉土を使いました。
先に土を湿らせておいて箸のようなとがったもので、
挿し穂を挿すやや斜め方向にあらかじめ穴をあけておきます。


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それから、挿し穂をセットして、
じゅうぶん水をあげ明るい日陰で管理します。
発根して安定するまで2週間〜1ヶ月かかります。

新しい芽が出てきたら、別の鉢に定植します。
根が生えているかどうか始終見ると、
発根しにくくなりますので、我慢しましょう。


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挿し木後1ヶ月半で、バンマツリの花が咲きました。

>>ニオイバンマツリ(アメリカジャスミン)の育て方はこちら


挿し木の手順を覚えると、いろいろな植物を自分で増やせるので、
面白いですし、たいへん経済的でもあります。
苗を購入するときは、挿し木ができるか訊いておくと良いですね。

こちらの「より簡単で確実にふやせるさし木・つぎ木・とり木」を読めば、
鬼に金棒です。



より簡単で確実にふやせるさし木・つぎ木・とり木