
ナンテン、雪景色
ナンテンの赤い実は、冬枯れの庭によく映え、とても美しいです。
常緑なので冬でも葉が残り、冬に寂しくなりがちな庭を彩ってくれます。
そんなナンテンですが、赤い実を眺めていると、
おいしそうに見えてくることがありますが、気になるのが毒の有無です。
ナンテンの実には毒があるのでしょうか。
[ナンテンの実 毒]
■薬用としてのナンテン
ナンテンの実や葉は、漢方として使われることもある素材です。
実には咳を鎮める効果があり、葉は殺菌効果があるといわれています。
市販ののど飴にもナンテンを使ったものがあります。
古くからあるのど飴なので、聞いたことがある、使ったことがあるという方も多いでしょう。
葉の方は、赤飯や料理の下敷きに使われることが多く、
いわゆる「添え物」として有名です。
殺菌効果があるため、料理が傷まないようにしたのがきっかけなのでしょう。
ナンテンの葉は緑でも紅葉していても美しいので、
ただ見た目のためだけに使われていると思われることが多いですが、
実は理にかなっているのです。

葉と実のコントラストが美しいです
■ナンテンの実 毒
薬用として使われることが多いナンテンですが、実は良いことばかりではありません。
ナンテンの実や葉には、毒となる成分も含まれています。
・実の毒
ナンテンの実には、
アルカロイド系のナンテニンやドメスチシンと呼ばれる成分が含まれています。
これらの成分には、知覚の麻痺や運動神経の麻痺を引き起こす力があります。
・葉の毒
殺菌効果のある葉の方にも、毒が含まれています。
ナンテンの葉には、ナンジニンという成分が含まれています。
ナンテンの実と同じアルカロイド系の成分で、
大脳に作用し、呼吸中枢の興奮を引き起こします。
また、症状が進むと麻痺を起こし、とても危険です。

紅葉も楽しめるナンテン
■ナンテンの実は食べられない?
ナンテンは、実や葉に薬効がある反面、毒も含まれています。
植物は毒となるか薬になるかは、紙一重であることが多いですが、
ナンテンもそういった植物の1つなのでしょう。
ただ、含有率としてはそれほど多くないので、
少量を口にする分であれば、死に至ることはあまりないそうです。
それでも、素人が簡単に考えて口にするのは、やめておいた方が良さそうです。
もしナンテンの実や葉を間違って口にして、
何か異常を感じた場合は、すぐに病院に行きましょう。
■参考
・ナンテンの育て方、栽培方法
・ナンテンの実がならない理由は?
・南天とは?
・白南天の育て方
・南天 花が咲かない