
サザンカと雪
気温が下がり、寒くなると、園芸植物も冬支度が必要となってきます。
様々な植物を育てていると、冬支度の方法や程度も種類によって異なります。
戸外では越冬できないほど寒がりの植物があると思えば、
戸外で雪が積もっていても元気な植物もあります。
育てている園芸植物や野菜に合わせて、
本格的な寒さがやってくる前に、冬支度を済ませておきましょう。
[園芸 冬支度]

大型のシクラメンは室内に取り込みます
■寒さに弱い植物
熱帯が原産の植物などは、日本の冬の寒さに耐えることができません。
耐寒性が0度近いものもありますが、たいていは5度以上であることが多いです。
そのため、室内に取り入れて冬越しをさせることになります。
霜に当たると地上部の葉だけでなく、地下の根も傷んでしまい、
急激に枯れてしまうことがあります。
霜に当たる前に準備をし、取り込むのがポイントです。
ハイビスカス、ゼラニウム、シクラメン、ポインセチアなどは、
室内へ取り込み、世話をすることが必要となります。
ただし、暖地などであれば、ゼラニウムなどの比較的寒さに強い植物は、
戸外でも越冬が可能な場合があります。
ポインセチアも寒さに弱いです
・鉢上げ
耐寒性のない植物を庭植えにしている場合は、鉢上げをしてから取り込みます。
鉢上げしてからすぐに室内に取り込むのではなく、
鉢上げ後に多少は根付かせてから取り込んだ方が、
冬越しに成功する確率が高くなるのでお勧めです。
10月中旬〜11月に鉢上げを行い、日当たりの良い軒下に置いて管理します。
日当たりの良い場所に置くことで、鉢上げした後にしっかり根付ききます。
また軒下に置いておくことで、ふいに寒くなった時、
霜が降りてしまうのを防ぐことができます。
さらに鉢上げをする際は、根が多少なりとも切れることになるので、
地上部を剪定してスッキリさせておくと、株への負担が軽くなります。
・室内へ取り込む
すでに鉢植えで育てているものも、霜が降りるようになる前には、
室内に取り込んでおきましょう。
その際は、鉢上げしたものと同じように、地上部を切り戻しておくことで、
寒風に当たる面積が少なくなり、株への負担が減ります。
また、株全体が小さくなり、複数の鉢を取り込む場合、省スペースになって便利です。
シクラメンは冬が花期となるので、必要以上に葉を摘み取る必要はありません。
ポインセチアの場合は、冬は生長が止まりますが、
葉色が変化するため冬が鑑賞期間となります。
葉色を考えないのであれば、切り戻しをして株を小さくしても構いませんが、
葉色が鑑賞したいのであれば、無理に切り戻す必要はありません。

ビオラとアリッサムの寄せ植えは、寒さの中で元気に咲きます
■戸外でも越冬できる植物
ビオラやパンジー、ガーデンシクラメン、プリムラなど、冬の間も休まず花を咲かせる園芸植物や、
宿根草などの耐寒性が強い園芸植物の場合は、戸外で越冬させるのも容易です。
耐寒性のやや弱いものの中で、鉢上げが難しいものの場合は、
防寒対策を行うことで、寒風を避けることができます。
・株元のマルチ
地上部が完全に枯れるタイプの宿根草や、冬も咲き続けるパンジーやビオラは、
もともとから耐寒性が強い園芸植物です。
ただ、冷え込みが強い日に土が凍ったりすると、少し株が傷むこともあります。
寒さによって完全に枯れることはなくても、傷んだ株の修復に体力を使い、
春を迎えた時の花数が減ってしまうことがあります。
この場合、株元を覆って保護することで、簡単な防寒が可能です。
刻んだワラやバークチップ、クルミの殻など、マルチと呼ばれる園芸資材を使います。
地上部が残っている植物の場合は、株元を隠すようにマルチを敷きます。
地上部が枯れている宿根草の場合は、根が埋まっている部分の上に、
腐葉土などを厚めに敷けば、土が直接凍ってしまうのを防ぐことができます。

プランター栽培もワラで簡単にマルチができます
・トンネル
草花の場合、冬も鑑賞するため、株全体を覆うのは避けますが、
野菜類であれば、株全体を覆うことで、寒さを防ぐことができます。
曲がる支柱と透明(半透明)のビニールを使ってトンネルを作れば、
昼間はかなり暖かい環境を作ることができます。
保温効果が長時間続くわけではないので、夜にはトンネル内の温度が下がりますが、
晴れた日の日中は内部の気温がよく上がります。
そのため、ある程度の寒さには耐えられる葉物野菜であれば、
冬の間もトンネルを使って栽培することが可能となります。
支柱やビニールといった園芸資材自体は、
安価でホームセンターでも手に入れやすいので、ぜひ試してみてください。
■果樹・庭木
果樹や庭木も、暑さや寒さに強いように見えても、
暖かい地域が原産のものは、寒さが苦手な場合があります。
特に鉢植えにしているものは、鉢部分に直接寒風が当たるため、
寒さの影響を受けやすい傾向があります。
さらに鉢が小さくなるほど影響が大きく、盆栽など器が小さなものは、
できるだけ土が凍らないようにちゅうい防寒対策をしておく必要があります。
レモンの鉢植えの防寒です

防寒すると花付きも良く、美味しい実がなります
・若木の防寒
耐寒性が強めな品種でも、それは大人の木に生長した時の話であって、
実は幼木のうちは耐寒性が低い場合があります。
柑橘類は耐寒性があまりないものが多いのですが、
ユズや金柑などは昔から日本で親しまれていて耐寒性もありますが、
植え付けから3年未満のものは、成木と同じようなの耐寒性はありません。
強い寒さに当ててしまうと、あっという間に枯れてしまうので、防寒しておきます。
不織布など、風をあまり通さないものを使い、株全体を覆います。
端は洗濯ばさみなどでしっかりと閉じ、寒風が入り込まないようにしておきましょう。
鉢植えにしているものは、二重鉢にするなどして、
冷たい風が直接当たらないようにしておくと安心です。

コモ巻き
・コモ巻き
松などの木に、コモと呼ばれる、
ムシロを巻いている姿を目にしたことはありませんか?
コモを幹に巻くことで、寒さから守っているのです。
さらにコモには、害虫駆除の役割もあります。
コモの部分が冬でも風が避けて暖かいため、害虫がコモに集まります。
春になって害虫が動き出す前に、コモを取り外して焼却することで、
害虫と一緒に燃やすことができます。
害虫が暖かい越冬場所を探しているうちに巻き、
害虫が動き始める前に焼却するのがポイントです。

寄せ植えや花壇の枯れ葉などを取り除きましょう
■株周りの清掃
落葉樹の周りや、冬に地上部が枯れる植物は、晩秋になって冷えてくると、
枯れ葉などが溜まりやすくなります。
枯れ葉がマルチの役目をしてくれることもあるのですが、
害虫や病気の原因菌が枯れ葉の中で越冬したり、
枯れた地上部が雨などに当たって腐ったりカビが生えると良くありません。
宿根草の場合は、地上部が枯れたら地際から切り、
落ち葉は取り除いてキレイにしておきましょう。
■参考
・ハボタン 寄せ植えのコツ
・ハボタンのプランター栽培
・ハボタン(葉牡丹)の育て方|年末年始の購入株を毎年楽しもう♪
・ハボタンを簡単に増やす方法は?
・踊り葉牡丹の育て方は?
・ミニハボタンの育て方
・パンジー 寄せ植えのコツ|合わせやすい植物たち
・ガーデンシクラメン 寄せ植えのコツ
・クリスマス 寄せ植えのコツ
・チューリップ 寄せ植え
・ハボタン 室内での育て方
・ハボタン 冬の育て方
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