
八重寒紅
ウメの花には、真っ白な色のもの、薄いピンクのもの、赤いものとあり、
それぞれに品種も色々とあります。
家でウメを育ててみようと思っても、どれを育てて良いのか分からない、
品種選びでつまづいて、なかなか先に進めないということもあるでしょう。
育てるウメの品種を選ぶのは、
そのウメを育てるのと同じくらい楽しい時間でもあります。
地植えと鉢植え、花梅と実梅、育てる地域ごとに、
ウメの品種選びのポイントをご紹介しますので、参考にしてみてください。
[ウメ 品種の選び方]
■地植えをする時の品種選び
・複数か単品種か
地植えでウメを育てる場合、庭の広さによって植えられる本数が決まってきます。
けれど、ウメは剪定をきちんとこなしていれば、意外とスペースをとりません。
横にもやや広がりますが、縦に伸びる枝も多いため、
他の花木に比べるとややコンパクトに仕立てることができるのが魅力です。
花色に白、ピンク、赤とあるように、
できれば複数株のウメを植えて、それぞれの花を楽しみたいものです。
実ウメを育てる場合、2品種以上のウメを育てる場合が多いため、
できれば2株以上を育てると、見栄えもしますし楽しみも増えます。
どうしてもスペースの都合上、1株しか育てられない場合は、
最初に植えた1株が大きく育ってから、高つぎを行うことで、
1株から色の違う花を咲かせたり、結実させたりすることができるようになります。

豊後梅
・花ウメか実ウメか
ウメには主に花を楽しむ花ウメと、実をつける実ウメとがあります。
実ウメは、花ウメに比べると観賞に向かない、
と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
実ウメの咲かせる花の中に、濃い色の花を咲かせる品種がないのは確かです。
けれど、白やピンクの花は、ウメの可憐さや美しさをちゃんと持っています。
八重咲きの品種もあり、花形を比べれば、
実ウメの花も花ウメに見劣りしません。
実ウメにするか花ウメにするかは、やはり実をつけたいかどうかです。
花だけ見れればいい、実は管理が大変そうだから避けたい場合や、
赤い花を咲かせたい場合は、やはり花ウメがお勧めです。
けれど、できれば花も実も楽しみたいということであれば、実ウメがお勧めです。
実ウメの品種は、一般的なウメよりも少し開花期が遅いです。
もし3株以上植えられるのであれば、
実ウメを2種と早咲きの赤い花を咲かせる花ウメ1種を植えると、
長期間最大限にウメを楽しめます。

白加賀の実
■実ウメを選ぶ時の注意点
花ウメを選ぶ時は、花の色や形、開花時期などから選べます。
それに対して実ウメは、品種同士の相性もあるため、
花の形だけで選ぶとうまく結実しないことがあります。
1. 自家結実性
実ウメは基本的に自家結実性が低く、1本では結実が難しい場合がほとんどです。
実ウメの中には、自家結実性が比較的高いものもあります。
ただ、自家結実性の高い品種であったとしても、
相性の良い別の品種のウメと受粉させることで、結実性が高くなります。
2. 開花時期
実ウメとその受粉木を選ぶ時、最も注意したいのが開花期です。
特に実ウメ同士を受粉させる場合、開花期がずれていると、
片方にしか受粉できないことになります。
先に開花した方の花粉と採取しない場合は、どちらの品種も結実が難しくなります。
受粉木として花粉の多い花ウメを育てる場合は、
花ウメ側の結実は考慮する必要がないため、
必ず花ウメの方が先に開花(あるいは同時に開花)する品種を選びます。
3. 組み合わせ方
実ウメの品種を大きく分けると、3つに分けられます。
A:自家結実性の高い品種(花香実、豊後、長束など)
B:不自家結実性だが花粉の多い品種
(白花:梅郷、南高、稲積など/桃花:月世界、林州、養老など)
C:不自家結実性で花粉も少ない品種(玉英、白加賀など)
1株だけ育てるのであれば、Aグループの自家結実性の高い品種を選びます。
2株育てるのであれば、AグループとBグループから開花期の近いものを選びます。
3株育てるのであれば、AグループとBグループから3品種選ぶか、2品種とCグループから1品種選びます。
どのような組み合わせにするとしても、開花期が近いものを必ず選ぶようにします。
4. 地域に合った品種
日本各地に、優秀なウメの品種がたくさんあります。
それぞれの地域に合っているので、
気に入った品種があったら、それを選ぶのもお勧めです。
秋田県には「鋼梅」、新潟県には「小坂梅」「越の梅」「藤五郎」、
福井県には「剣先」「紅サシ」、佐賀県には「黒姫」「三徳」、
京都府には「城州白」などがあります。
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愛らしいしだれ梅
■鉢植えをする時の品種選び
鉢植えで育てる場合も、地植えと同じような条件となります。
・複数か単品種か
鉢植えで育てる場合、盆栽であればかなり小さくまとめることもできますし、
実ウメを収穫したいのであれば、大鉢でチャレンジすることもできます。
ただ実ウメを育てるのであれば、地植えの場合と同じように、
自家結実性の高い品種を1株育てるか、
開花期の近い品種を2品種育てることが条件となってきます。
・お正月飾りは?
小さな鉢植えの場合、お正月に開花株を室内で楽しみたいという場合があります。
その場合は、早咲きの品種を選ぶようにします。
早咲きの品種であれば、その年の気候によって、
12月中旬頃から蕾がほころび始めることもあるくらいです。
開花したらできるだけ寒い室内に置き、花を観賞します。
開花中は日当たりがなくても構いませんが、
花が終わったら日向に置き場所を移動させます。
■参考
・梅の木の育て方
・しだれ梅の育て方と剪定
・ウメ 咲かない理由は?
・ウメの木 実がなるまで
・ウメの木 実がならない理由は?
・ウメの木の消毒は?
・ウメ 挿し木の方法
・ウメの木の手入れ
・ウメの育て方 1月
・ウメの育て方 2月
・ウメの育て方 3月
・ウメの人工授粉
・ウメ 盆栽の育て方
・ウメ 苗木購入のコツ
・ウメ 種からの育て方
・ウメの肥料
・ウメ 鉢植えの育て方
・ウメの病気|症状と対策
・ウメの害虫|種類と対策
・ウメの摘果は?
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