ume052.jpg
ウメを育てる時、適切な時期に適量の肥料を与えることで、
株を充実させ開花・結実も安定させることができます


肥料不足になると、株の育ちが悪くなるばかりか、花芽がつきにくく、
実ウメの場合は結実してもうまく大きくならない場合があります。

鉢植えと地植えでも、与え方や与える量が異なるため、
それぞれに合った施肥の方法を表とともにご紹介します。


[ウメの肥料]


■元肥

地植えであれ、鉢植えであれ、最初は必ず植え付けの作業から始まります。
この植え付ける時に施すのが、元肥です。

元肥は、植え付け直後から肥料が効くようにするためのものではなく、
少し時間を置いてから肥料が効くようにします。

根が肥料を求めて伸びるよう、植え付ける位置よりも低い場所に入れます。

・地植え
地植えの場合は、植え付ける苗の根鉢よりも深く穴を掘り、穴に元肥を入れます。

穴の深さの目安は、根鉢の深さに20cmほど足したくらいです。
まず根鉢の深さ+20cmの深さの穴を掘ります。

その穴の底に、化成肥料50g〜100gと、鶏ふんかピートモス、
さらに腐葉土を少々混ぜたものを入れます。

化成肥料は、窒素-リン酸-カリがそれぞれ8〜10の肥料を入れるようにします。
化成肥料などを入れた上に、掘り上げた土をかぶせて、
根鉢がちょうどおさまるくらいの深さに調整して、足で軽く踏んでおきます。

このように元肥を入れてから、苗を植え付けるようにすると、
植え付けた後しばらくしてから肥料が効いてきます。


ume051.jpg
シダレウメの実


・鉢植え
鉢植えの場合は、地植えほど深さをとることができません。

鉢底に入れたゴロ土の上に、元肥として肥料を入れる方法もありますが、
鉢の深さによっては、植え付けてすぐに根に触れる可能性もあります。

肥料が直接根に触れると、肥料焼けを起こすこともあるため、
鉢植えの場合は元肥を入れない方法の方がお勧めです。

赤玉土や腐葉土を混ぜた用土を使って植え付けた後、
たっぷりと水を与えておきます。

植え付け後10日ほど経ったら、2月〜3月に与える肥料として追肥をします。


■地植えの場合の追肥

地植えにしているウメの場合、
極端に言えば土があればどこまでも根を広げることができます。

そのため、ウメを植えている近くで、何か草花や野菜などを育てている場合、
そこに与えた肥料分を吸っている可能性があります。

肥料切れになってしまうと、生育不足になりますが、
肥料過多になると、勢いの良い枝が出過ぎてしまい、
それはそれで花数が減ってしまいます。

そのため、多肥にするのではなく、
控えめに追肥を与えることから始めた方が、失敗が少なくなります。

もし勢いの良い枝が出過ぎる場合は、
どこかから肥料分を吸ってしまっている可能性があるため、
肥料をさらに減らすなどして様子を見るようにしましょう。

反対に、弱くて短い枝しか出ない場合は、
少し肥料を増やして様子を見るようにしましょう。


jiue0.jpg

ume-hiryou1.JPG
( )内は、実ウメの結実が多い場合にのみ与える肥料です。
■ウメの肥料 地植え


◎6月と11月の肥料
植え付けから何年経った株であっても、
6月と11月の肥料は必ず与えておく肥料となります。

この時、他の時期と同じ化成肥料や配合肥料を与えますが、
それに加えて同量の油カスか鶏ふんを与えるようにします。

◎肥料の配合率
ウメに与える肥料の窒素-リン酸-カリの配合率は、
窒素6〜8-リン酸6〜10-カリ8〜10くらいのものを選ぶようにします。

6月と11月に与える鶏ふんや油カスは、含まれているカリが少なめのため、
それを補うためにカリが多めの肥料を与えるようにします。

ただし、カリ分が多い肥料が用意できない場合は、
8-8-8や10-10-10くらいの、窒素・リン酸・カリが同等の肥料を選びます。

◎プラスアルファ
上記の肥料の他に、プラスアルファとして11月〜2月の間に、
草木灰やワラ灰、苦土石灰などを1リットルあたり50g程与えるのもお勧めです。


■鉢植えの場合の追肥

鉢植えのウメの場合は、地植えと違って土が区切られているため、
他から肥料分を吸うことはできません。

そのため、できれば肥料は定期的に与えた方が、生育が良くなるケースが多いです。
ただし、定期的に与えていて、勢いの良い枝がたくさん発生する場合は、
肥料が多すぎる可能性があるため、1回に与える肥料の量を減らします。

反対に、枝の発生が悪く、弱い枝しか出ない場合は、
1回に与える肥料の量を少し増やして様子をみましょう。


hatiue.jpg
■ウメの肥料 鉢植え


◎肥料
鉢植えに与える肥料は、化成肥料ではなく、できれば有機質のものが良いでしょう。
油カスに鶏ふんを20%ほど混ぜたものがお勧めです。

◎施肥量
1回に与える肥料の量は、鉢の大きさによって変わります。
6号鉢でティースプーン(軽く1杯で2.5g程度)2杯を与えます。

鉢の号数が1号大きくなるごとに、1杯ずつ増やしていきます。
7号鉢であれば3杯、8号鉢なら4杯が目安となります。

◎幼木と成木
地植えであれば、幼木と成木で施肥量などが変わりますが、
鉢植えの場合は、どちらも同じです。

あくまでも鉢の大きさによって施肥量が決まるので、
購入から何年経っても目安は変わりません。

■参考
・梅の木の育て方
 カテゴリ
 タグ