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ウメを種から育てるにはどうすればいいのでしょう?

[ウメ 種からの育て方]


ウメを育てるには、園芸店やホームセンターなどで売られている苗や、
鉢植えを購入して育てるのが一般的です。

しかし、ウメは種からも育てることができます。
ただ、種から育てると、当然のことながら苗から育てるよりも、
開花までに時間がかかり、開花・結実には5〜6年を要します。

ウメの生長過程をじっくり眺めて栽培し、実が生ると嬉しいですね!


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ウメは熟したものが発芽率が良いです


■種を準備する

種から育てるためには、まず種を準備するところから始まります。
市販されているウメの実でも良いですし、
実ウメを育てている人から実を分けてもらえたら良いですね。

実を入手する方法はどのようなものでも構いませんが、
実は必ず完熟のものを選ぶのがコツです。

5月頃になると、青ウメが店頭に並び始めます。
ところがこの青ウメは、まだ熟していない未熟な実なのです。

実が未熟ということは、中に入っている種もまた、未熟ということになります。
未熟な種では、せっかく土に埋めても、発芽しないことがあります。
できるだけ完熟の黄色っぽい実を選び、そこから種を採取するようにします。

1.果肉を取り除く
実を用意したら、まずは種の周りにある果肉を取り除きます。
そのまま土に埋めても、発芽しないことが多いためです。

手で取り除いても良いですし、
スプーンなどを使ってこそぎ落としてもかまいません。

2.種を洗う
果肉をおおまかに取り除いたら、種を洗います。
種の表面に残った果肉や、果肉の繊維は、
小さなたわしなどを使って取り除きます。

種の表面に果肉などが残っていると、
そこから腐敗したりカビが生え、種まで傷んでしまいます。

できるだけ表面に果肉を残さないように取り除いたら、
水でよく洗っておきます。


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果肉をきれいに取り除きます


■種を播く

種の準備ができたら、次は種を播きます。
この時、2通りの方法があります。

1つは、種を準備してすぐに播く方法。
もう1つは、種を冷蔵庫などで寒さに当ててから播く方法です。


・すぐに播く方法
種を準備した後、すぐに播くために、種を播く場所を準備します。

地面に直接種を播くよりは、鉢などの容器に播いた方が、何かと便利です。

3号か4号くらいのプラポットや鉢を準備します。
小粒の赤玉土を容器の中に入れ、そこに種を埋めます。
種が土から出ないようにしておきましょう。

種を播いたら水を与え、日向〜半日陰くらいの場所に置いておきます。
ここで重要なのが、土を乾燥させないことです。

ウメの木自体はある程度の乾燥にも耐えられますが、種は乾燥に弱いです。
種を乾かしてしまうと発芽しなくなるので、
土の表面が乾いたら、水を与えるようにします。

夏の間、どうしても土が乾きやすくなるので、
暑い時期だけ半日陰の場所に置いておく方法もあります。

種をすぐに播く場合、種を播くのはだいたい6月〜7月頃になります。

ウメなどバラ科の果樹は、
一度冬の寒さを経験しないと発芽しないものが多いため、
種を播いてもすぐに発芽しないことがほとんどです。

6月〜7月に種を播いても、発芽するのは翌年の早春というのが基本です。
秋頃になってもまだ芽が出ていなくても、ウメにとってはそれが普通なので、
気にせず水の管理だけを行うようにします。

・寒さに当ててから播く方法
採取した種を冷蔵庫に入れて保管し、疑似的に冬を経験させてから播く方法です。
タッパーやビニール袋など、密閉できる容器を用意します。

そこに種を入れるのですが、
この時、湿らせたキッチンペーパーや水苔で種をくるむようにします。

ウメの種は乾燥に弱く、乾かしてしまうと発芽しません。
他の植物であれば、乾燥させて冷暗所に保管することも多いですが、
ウメは違うので間違えないようにしましょう。

湿らせたキッチンペーパーや水苔でくるんだ種を容器の中に入れ、
タッパーならフタを閉め、ビニールなら口を縛ります。

冷蔵庫など、4度〜5度以下が保てる場所に入れて、保管します。
本来は、1ヶ月〜2ヶ月ほどで、冬を経験したことにはなるのですが、
播き時が1月下旬〜2月頃なので、播き時まで冷蔵庫で保管します。


保管している間、時々種の様子を見るようにしましょう。
種をくるんでいるキッチンペーパーなどが、乾いてしまっていることがあります。
その場合は、また湿らせて種をくるみ、容器に戻して冷蔵庫で保管を続けます。

1月下旬〜2月になったら、種を播きます。
種の播き方は、採取してすぐに種を播く時と同じです。

冷蔵庫に保管する場合も、結局は翌年の早春に発芽することになります。
ただ、すぐに播くよりも、夏の暑さにさらすことがないため、水管理がしやすくなります。
種に余裕がある場合は、両方試してみると良いでしょう。


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実がなるまで待ち遠しいですね


■発芽後は?

発芽した後は、土の表面が乾いたら水を与えるようにし、日向に置いて栽培します。
鉢底から根が見えるようになったら、
鉢の中が根でいっぱいになっているサインなので、植え替えをします。

植え替える時の用土は、市販されている果樹用の培養土で構いません。
植え替え後の管理は、一般的な鉢植えのウメと同じで問題ありません。

鉢が小さくなったら植え替えるを繰り返し、ある程度苗が大きくなった時、
地植えにするか鉢植えで育てるのかを決めましょう。

開花・結実までには、5〜6年はかかりますが、開花するととっても嬉しいです。

■参考
・梅の木の育て方
・しだれ梅の育て方と剪定
・ウメ 咲かない理由は?
・ウメの木 実がなるまで
・ウメの木 実がならない理由は?
・ウメの木の消毒は?
・ウメ 挿し木の方法
・ウメの木の手入れ
・ウメの育て方 1月
・ウメの育て方 2月
・ウメの人工授粉
・ウメ 盆栽の育て方
・ウメ 苗木購入のコツ
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