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家庭菜園のピーマンは美味しいです!


■ピーマン 栽培データ

英名・学名 bell pepper・capsicum annuum var.grossum
形態 多年草(日本では一年草扱い)
原産地 中南米
草丈/樹高  60cm〜80cm
収穫期 6月〜10月中旬
花色
栽培難易度(1〜5)  2
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
特性・用途  耐暑性が強い、食用にできる、初心者〜中級者向き



■ピーマン 地植えの育て方

・栽培環境
ピーマンは、風通しと日当たりの良い場所で育てます。
また、土は水はけのよい状態を好みますので、
植え付ける前に土作りを行っておきましょう。

スーパーなどでよくみかける緑色のピーマンの他、
カラフルで肉厚なパプリカもピーマンの仲間です。

パプリカは実が大きく、肉厚で色づくまでに時間がかかるため、
中級者向きですが、初心者の方も挑戦してみてください。


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畝作りの目安


・土作り・畝立て
ピーマンの苗を植え付ける場所は、
あらかじめ耕して土を作っておくようにします。
ナス科の野菜を3〜4年作っていない場所を選びます。

ピーマンは根が浅いため、
あまり深く耕す必要はなく30cmほど耕します。

ただし、根が浅い分、根が広がらないと生育が鈍りますので、
1株あたり100cm四方くらいをよく耕します。

土を耕したところに、1uあたり堆肥を3kg、苦土石灰を120g、
緩効性化成肥料を100g〜150gほど加えてよく混ぜておきます。

ピーマンは酸性土壌を嫌うのと、カルシウム不足による、
尻腐病の症状が出ることがあるため、苦土石灰は必ず入れます。

土作りが終わったら、幅100cmの畝を立てます。

複数の株を育てる場合は、株間を45cmほど空けて、
植え付けた場合の距離をあらかじめ算出しておき、
その長さの畝を立てておきます。

土作りをした後、堆肥や肥料などがなじむまで2週間ほどかかります。
苗を植え付ける予定の日より、
2週間以上前に土作りを終えるようにしましょう。

・植え付け
ピーマンは気温の高い環境を好みます。
同じナス科の夏野菜には、トマトやナスがありますが、
それらよりも高温を好みます。

そのため、寒さには弱いので、苗を植え付ける時は、
遅霜の心配がなくなる5月中旬以降が望ましいです。

トンネル栽培をする場合は、4月から植え付けが可能になります。
またピーマンはナス科のため、連作障害を嫌います。

あらかじめ作っておいた畝に苗を植え付けます。
複数の苗を植え付ける場合は、まずはポットに入ったままの状態で、
植え付け予定位置に仮置きしてみましょう。

株間を45cmほどとった状態で仮置きが終わったら、
実際に苗を植え付けます。

苗を植え付ける時は、
根鉢を崩さないようにポット苗に水を与えておきます。

苗の根鉢がすっぽり入るくらいの植え穴をあけ、
そこに水を入れて染みこませておきます。

こうすることで植え付けた後、根付きがよくなります。
ポットから根鉢を崩さないように苗を抜き、
植え穴に入れて植え付けます。

根鉢と畝の土の高さがだいたい同じ位置に植えつけたら、
最後に水をたっぷり与えておきましょう。

植え付けた時期により、夜の寒さなどが気になる場合は、
ホットキャップをかぶせたり、地温確保のために、
黒マルチを敷くなどして防寒しておくと安心です。


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良い苗を植えると収穫も上がります


・植え付ける苗の状態
ピーマンの苗自体は、早ければ4月に入ってすぐ店頭に並び始めます。
けれど、その時期はまだ寒い日があったりするので、
トンネル栽培でなければピーマンの植え付けには適しません。

また、苗も小さい状態で出ていることがあり、
植え付けるまでに至っていない場合があります。

ピーマンの苗を購入する時は、元気で虫がついておらず、
葉の色ツヤが良いものを選びますが、
できれば一番花がついている方がいいでしょう。

また、一番花がまだついていない苗であっても、
購入してから自宅で少し育苗し、
花がついてから植え付けるという方法もあります。

一番花がついてから植え付けた方が、
枝葉ばかり茂って花がつかなくなる木ボケを起こしにくいです。

・水やり
植え付けてから2週間ほどは、まだしっかり根付いていない状態なので、
土があまり乾かないように注意します。

それ以降は、畝のすそが乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。
ピーマンはとても水を好む野菜なので、水切れには注意しましょう。

水の量が多いか少ないかは、株の状態を見て判断しましょう。

乾燥:茎が太く短い、上部の葉が小さい、葉柄が中央で曲がっている
適湿:葉が分厚くしっかりしている、上部の葉が上向きになっている
過湿:茎がひょろっとしている、葉が小さく細い、日中萎れていて夜間に回復する


・肥料
実の収穫が始まったら、追肥を開始します。
窒素・リン酸・カリが同等の化成肥料を、
1uあたり30g〜40gほど与えます。

その後は20日おきくらいに同量の肥料を与えて追肥を繰り返します。

・支柱
植え付けを行った後、苗が風で倒れたりしないよう、
仮支柱を立てましょう。


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仮支柱の立て方


長さ30cm〜50cmほどの棒を用意し、
植え付けた苗に対して斜めにさします。
支柱と苗を紐などで結んでおきましょう。

仮支柱が小さくなったら、本支柱を立てます。
長さ180cm以上の支柱を1本、立てる方法もあります。

長さ180cm以上の支柱を1株あたり3本立てる方法もあります。
ピーマンは最初の花が咲いた後、主軸と2つの脇芽を育て、
3本仕立てにして育てるのが一般的です。

そのため、支柱の1本目は主軸に沿って立て、紐で誘引しておきます。
その後、脇芽が育ってきたら残りの2本の支柱をクロスさせて立てます。
それぞれに脇芽を紐などで誘引し、育てていきましょう。


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本支柱の立て方


・整枝・脇芽摘み
一番花までは主軸一本で育て、
一番花の上下の節から伸びてくる脇芽を伸ばして三本仕立てにします。

伸ばす脇芽よりも下の葉の脇から出る脇芽は、
そのまま育てると、育てるのに余分な力を使うことになります。
不要な脇芽は小さいうちに摘むようにしましょう。


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一番果は、小さなときに収穫します


・収穫
一番花に着果した実は、充分な大きさになるまで待たずに、
小さいうちに収穫してしまいます。

こうすることで一番果より上に咲く花に養分が回り、
収穫量を上げることができます。

二番果以降は、だいたい35gくらいか、
開花から15日〜20日を目安に収穫するようにしましょう。

ただし、収穫の適期は品種によって異なるので、
育てている品種の適期をよく確認しておきましょう。

いずれの場合も、いつまでも樹上に実を残さず、
適期がきたらすぐに収穫するようにします。

そうすることで、株の体力を無駄に消耗させることがなく、
長い期間収穫することができます。


■病害虫

アブラムシがつくことがあります。
葉の付け根や新芽、花芽などによくつきますので、見つけ次第、
粘着テープなどで捕殺するようにしましょう。


■参考
・ピーマンの花が落ちてしまい実がならない理由は?
・ピーマン、ナス、トマトの実が落果し小さな穴があく理由は?
・虹色ピーマンとは?
・パプリカに色がつかない理由は?
・ピーマン プランターの育て方 
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