
カキの実の中が黒いのは?
カキ(柿)の実が黒いのですが、
食べられるでしょうか、何かの病気でしょうか?
■カキ(柿) 実が黒い
1.実の中が黒い
カキの皮をむいた時、
中に暗褐色の点がたくさん入っていることがあります。
これはカキに含まれるタンニンが見える状態になっているだけで、
決して病気などではありません。
カキには渋柿と甘柿がありますが、
渋柿にはこのタンニンの粒はほとんど見ることができません。
人が渋味を感じるのは、タンニンなどの成分が溶けている時だけで、
細胞壁など何かに包まれている状態では、渋味を感じません。
渋柿には、すでに水溶状態のタンニンが実の全体に回っているため、
一見すると渋が入っているようには見えず、
食べると口いっぱいに渋味が広がります。
反対に甘柿は、タンニンが点の中に閉じ込められているため、
暗褐色の点がはっきりと見ることができます。
けれど、タンニンは閉じ込められているため、
甘柿を食べても渋味はほとんど感じられないのです。
一般的にはこのタンニンの黒い点を「柿のゴマ」などと呼び、
このゴマが多いカキほど甘いと言われています。

カキの皮に黒い点がある場合は
2.実の皮に黒い斑点がある
まだカキの実が枝についている時に、
実の表面に黒い斑点ができることがあります。
これは炭そ病という病気にかかっている可能性があります。
炭そ病は、カビの一種である菌が入り込み、
繁殖して症状を引き起こす病気で、黒い斑点が皮にでき始めた後は、
急速に熟したようになって実が落ちます。
炭そ病の菌は、カビの一種なので高温多湿の環境を好みます。
日当たりが悪かったり、風通しが悪かったりすると、
菌が繁殖して症状が出てくるので、混みすぎている枝があれば、
剪定の時期に間引き剪定をして、日当たりと風通しをよくしておきます。
専用の薬剤を適切な時期に散布することで防除することもできますが、
どうしても薬品を使いたくない場合は、
環境をできる限り良い状態にしてあげましょう。

ヘタと実の間の隙間が黒い
3.ヘタと実の間に黒い隙間がある
家庭菜園で育てたカキだけでなく、
市販されているカキの中にも、ヘタと実の間に隙間ができ、
そこに黒い凹みのようなものができていることがあります。
これは「ヘタスキ」と呼ばれる現象で、
病気ではありませんので、食べる分には害はありません。
しかし、カキが一番美味しい時期には、
実とヘタとの隙間がなく、ヘタが緑で艶やかです。
カキの実とヘタに隙間がある「ヘタスキ」は栽培中や流通時に、
そこから虫や病菌が入り軟化したり果実軟腐病になる怖れがあります。
ヘタスキになる理由はいろいろあり、、
窒素過多や受粉不良、ヘタスキになりやすい品種もあります。
■参考
・カキ(柿)の育て方
・カキ(柿)の剪定方法
・渋柿 甘柿の品種
・カキ(柿)実が落ちる理由は?
・カキ(柿) 実がならない原因は?