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ヘレボルス ニゲル 2014/2/10*


■ヘレボルス ニゲル 栽培データ

英名・学名 helleborus niger、クリスマスローズ
形態 多年草
原産地 ヨーロッパ
草丈/樹高 20cm〜30cm
開花期 12月〜3月
花色 白
栽培難易度(1〜5) 3
耐寒性 強い
耐暑性 普通
特性・用途 耐寒性が強い、常緑、花もちが良い

*ヘレボルス ニゲルの詳細については↓
>>クリスマスローズ ニゲル イブに咲く白いバラ


■ヘレボルス ニゲルの育て方

・栽培環境
初夏〜秋はじめは半休眠期で、晩秋〜春の間は、生育期です。

◎初夏〜秋はじめまで
風通しの良い明るい日陰や半日陰で管理します。
常緑性なので、地上部が枯れずに残りますが、
生育しない半休眠状態です。

西日のような強い陽射しと、高温多湿の環境を嫌うので、
西日は絶対に当たらないようにし、
乾燥気味に育てますが水切れには注意します。

◎晩秋〜春まで
生育期となるので、日当たりの良い場所で管理します。
半日陰程度でも枯れることはありませんが、
花付きが悪くなったり、生育が悪くなることがあります。

・植え付け
10月〜3月までが植え付けの適期です。
ちょうどこの頃に苗が店頭に並ぶので、
購入したらすぐに植え付けを行うようにしましょう。

ただし、植え付ける時期によって、
植え付け方法が多少異なりますので注意が必要です。

10月〜11月であれば、根鉢を半分ほど崩し、
傷んでいる根があれば取り除いてから植え付けるようにします。

12月〜3月は、根鉢を崩して根を傷めてしまうと、
生育に影響しますので、根鉢を崩さずに植えつけるようにします。

◎地植え
地植えの場合は、植え付ける2週間ほど前に、
植え付ける場所の土作りを済ませておきましょう。

植え付ける場所を30cmほどの深さに掘り、よく耕します。
水はけと水もちの良い土を好むので、
赤玉土や腐葉土などをよく混ぜて調整しておくようにします。

2週間前に耕す作業を終えておくことで、土がなじみます。
苗を準備したら、植え付ける場所に植え穴を掘り、苗を植え付けます。


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ヘレボルス ニゲルの愛らしい開花


◎鉢植え
鉢植えは、用土はクリスマスローズ専用の培養土を使うと便利です。
ヘレボルス ニゲルは、意外と深く根を張るので、
浅鉢ではなく普通の深さのものか、少し深めの鉢を選びましょう。

鉢の大きさは、3号ポットの苗に対して、
5号くらいの鉢が適しています。

鉢が小さいと根の生育スペースが狭くなり、
鉢が大きすぎると過湿になりやすくなるので、
ちょうど良い鉢を選ぶようにしましょう。

鉢底が隠れる程度の鉢底石を敷き、
その上に培養土を縁から3cmほど下まで入れます。

植え穴をあけて苗を植え付けます。
鉢植えはその後、1年〜2年ごとに、
植え付けと同時期に植え替えを行うようにします。

苗を植え付けた後は、地植え・鉢植えとも水をたっぷり与えておきます。

・水やり
生育期の間は、根も地上部も育つ上に花も咲くので、水分を要求しますが、
気温自体は低いので、必ず毎日与える必要はありません。

地植えの場合は、降雨だけでも間に合うことが多いですが、
雨が長期間降らないなどで土が乾燥している時は、充分水を与えましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたら、
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。

土の表面が乾かないうちに水を与えてしまうと、
過湿の状態になって根腐れを起こしてしまうことがあります。
水を与える時は、必ず土の状態を確認してから与えるようにします。

休眠期である初夏〜秋の間は、乾燥気味に管理するようにします。
暑い時期に過湿にすると、高温多湿の状態になり、
根腐れや病気の原因になるので注意します。

夏は気温が高く乾きやすいですが、
水を与える時は冬と同じように、
土の状態を確認してから与えるようにしましょう。

土の表面が乾いていたら水を与え、
もし土の表面がまだ湿気ている場合は、
水を与える必要はありません。

朝に水を与えても、夕方にはもう乾いているという場合は、
夕方にも水をたっぷりと与えます。


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夏を無事に越すことができれば、花も見られます*


・肥料
10月〜4月までの生育期の間は、
2ヶ月に1回のペースで緩効性の固形肥料を与えるか、
10日に1回のペースで規定通りに薄めた液体肥料を、
水代わりに与えるようにします。

与える肥料は窒素・リン酸・カリが同等のものか、
リン酸が少し多めのものにします。

窒素が多い肥料を与えると、株が軟弱に育ったり、
病気に原因になることがあります。

また、葉ばかりが茂って花付きが悪くなることがあるので、
与える肥料にも注意します。

最近では、クリスマスローズ専用の肥料も売られていますので、
そちらを使うと便利で安心です。

6月〜9月は半休眠期に入っているので、
肥料を与える必要はありません。

・夏越し
ヘレボルス ニゲルは、高温多湿の環境がとても苦手です。
そのため、日本では夏越しに成功できるかどうかが、
ヘレボルス ニゲルを育てる上で重要になってきます。

とはいえ、夏越しはコツを押さえれば難しいことではありません。

◎夏越しのコツ
・風通しの良い、明るい日陰〜半日陰の環境を作る
・西日を当てない
・乾燥気味に管理する
・肥料は与えない


夏場の強い陽射し、特に西日に当たると、
葉焼けを起こすだけでなく、土の温度が上がり過ぎて、
根を傷めてしまうことがあります。

鉢植えであれば、鉢ごと涼しい場所に移動させます。
地植えにしていて動かせない場合は、
すだれや布などで遮光し、日陰の環境を作ってあげます。

・開花後の管理
花が咲いた後、花が傷んでくるまでかなり時間がかかります。
その間に、受粉が成功し、子房が膨らんでくることがあります。

種をとる場合は、子房が熟すまで放っておいても構いませんが、
種が必要ないのであれば、膨らんできた子房を手で摘みます。

子房を膨らませ、種を作ることに養分を使ってしまい、
株が弱ったりする原因になります。

また、花が傷んできたら花ガラ摘みを行います。
花茎をハサミなどで地際で切るだけです。


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古葉切り=古い濃い緑の葉は切ります


・古葉切り
ヘレボルス ニゲルは、秋に新しい葉を伸ばし、
その葉のまま1年を過ごします。

そしてまた秋になると新しい葉を伸ばすのですが、
その時に前年に伸びた葉を切ります。
この作業を古葉切りといいます。

古葉を切ることで、花芽や新しい葉に、
日が当たりやすくなり、生育が促されます。

また、古葉は硬くなっていることが多く、
柔らかい花や新しい葉を傷つけることがあります。

まだ青々としていることも多いですが、思い切って古葉を切ることで、
株の生育もよくなり、株姿を美しい状態に保つことができます。

・増やし方
株分けで増やすことができます。
10月〜12月に、根を傷めないように株を掘り上げます。
手で土を丁寧にほぐし、根を露出させます。

新しく出てきている芽を3つ以上つけ、
よく切れるナイフなどで株を分けます。

それぞれを植え付けた後、2週間〜1ヶ月は半日陰で管理するようにし、
あまり乾燥しないように注意しましょう。

その後は通常と同じように管理します。


■病害虫

過湿により、灰色カビ病や軟腐病にかかることがあります。
特に高温多湿になりやすい夏は、乾燥気味に管理するようにしましょう。

*C)みんなの花図鑑
http://minhana.net/wiki/view/2365/contents:picture_normal

■参考
・クリスマスローズ 咲かない理由は?
・クリスマスローズ 株分けの方法は?
・クリスマスローズ 植え替え 画像付き
・寒さに強い花
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