
カキが甘くたくさんできると嬉しいですね
■カキ(柿)実が落ちる理由は?
1.生理落果によるもの
カキ(柿)は実がついた後、
カキ自身で実を落とす生理落果を起こします。
カキの生理落果は、実が生長している6月中頃から7月中頃に、
ヘタごと落ちてしまうのが特徴です。
これは病気などではなく、受粉不良の実や多すぎる実などを、
自然に落とす行為なので、あまり心配はありません。
ただ、日当たりや風通しが悪いなど、環境が悪くなっている場合、
余計に実を落としている可能性があります。
枝が混んでいる部分は、間引き剪定をして、
株の中心まで風通しと日当たりが良い状態にしておきましょう。

カキの雌花

カキの雄花
2.受粉ができていないため
カキは雌花だけ咲かせる品種=「富有」「早秋」「平核無」が多く、
雌雄両方の花を咲かせる「禅寺丸」「筆柿」「西村早生」などの、
授粉木を近くに植えたり人工授粉すると、実が落ちることが少なくなります。
3.害虫の被害
カキノヘタムシガという虫の幼虫が、
ヘタと実の間に入り込み、食害した上実を落としてしまいます。
実が青い時期にも、ボトリと実を落とすので、生理落果に似ていますが、
生理落果の場合はヘタごと実が落ちます。
カキノヘタムシガの幼虫が原因の場合は、
ヘタが枝に残り、実の部分だけが落ちてしまうので、
そこで区別することができます。
カキノヘタムシの被害に気付いてから薬剤を散布しても、
効果は少ないことが多いので、適期に薬剤散布で予防する必要があります。
カキノヘタムシは、6月〜7月と8月〜9月の年2回発生します。
そのため、6月と8月に専用の薬剤を散布して防除することができます。
また、カキの休眠期に荒皮削りを行うのも、有効な防除方法です。
表皮をどこまで削っていいか不安など、
荒皮削りを行う自信がない場合もあるでしょう。
その場合は、適期の薬剤散布だけでも効果はありますので、
まずはそちらを試してみましょう。

炭そ病
4.病気のため
実に黒い斑点ができ、そのうち実が落ちてしまう症状が出た場合、
炭そ病にかかっている可能性があります。
最も特徴的なのは、実に黒い斑点が出ることです。
症状が実だけではなく、葉・枝・実それぞれに黒い斑点が出ます。
年に数回発生しやすい時期がありますが、いずれも雨の多い時期で、
枝が混みあっていて風通しが悪かったり、
日当たりの悪い部分があったりすると発生しやすくなります。
炭そ病は専用の薬剤を3月頃と4月頃に散布することで防除できます。
また、カキが休眠期の間も、枝などに菌が付着した状態で越冬するので、
休眠期の間にも薬剤散布しておくと安心です。
■参考
・カキ(柿)の育て方
・カキ(柿)の剪定方法
・渋柿 甘柿の品種