
南天の開花は6月ころで、小さな花がたくさんつきます
南天は、実生から育てると、
少なくとも3年は開花まで時間がかかります。
樹が若いので花がつかない場合もありますが、
成木になっても、花や実がつかないのには、
以下のような原因があります。
■南天 花が咲かない
1.日当たりが悪い
南天にはある程度の耐陰性があるため、
日当たりの悪い場所で育てても、枯れるということはあまりありません。
ただ、日当たりの悪い場所で育てていると、
花付きや実付きが悪くなることがあります。
どうしても花を咲かせたい場合は、
半日陰以上に日の当たる場所で育てるようにします。

南天は日当たりが好きです
2.窒素が多い
南天に肥料を与える場合は、
2月と9月に緩効性の化成肥料を少量与える程度で充分です。
地植えにしている場合は、痩せ地でない限りは、
肥料を必要としない場合もあるくらいです。
とはいえ、花付きをよくするためには、
補助的に肥料を与えるのは有効です。
ただし、与える時は必ず少量にすることです。
肥料をたくさん与えたからといって、
必ずしも花付きや生育がよくなるわけではありません。
むしろ肥料過多になることで、根が傷んだり、肥料焼けを起こして、
株が弱ったりすることもあります。
また、肥料の成分の比率も重要です。
たいていの肥料は、窒素・リン酸・カリの3要素からできています。
この要素の中で、窒素が多い肥料を与えると、
枝葉ばかり茂って、花付きが悪くなります。
与える肥料は、3要素が同等のものか、
リン酸が多めのものを選ぶと良いです。

剪定時に花芽を切らないように注意します
3.花芽を切っている
南天は6月頃に花を咲かせ、その後結実します。
翌年の花芽は夏頃に形成されるといわれているため、
それよりも後に剪定を行った場合、
すでにできている花芽を切っている可能性があります。
南天の剪定は2月〜3月とされていますので、
どうしても花芽が形成された後に剪定することになります。
ただ、南天の剪定は全ての枝を切るより、
地際から切る間引き剪定が中心になります。
◎花を咲かせた枝を剪定する
南天は花を1度咲かせた枝には、3年ほどの間は花をつけません。
間引き剪定を行う際、花をつけたことのない枝ばかりを選んで切り、
花をつけたことのある枝ばかりを残すと、花が咲かない原因になります。
間引き剪定を行う時には、花を咲かせた枝を優先して切るようにしましょう。
4.花の咲かない品種である
南天にはたくさんの品種があります。
その中でも、オタフク南天のように、
花も実もつけない枝葉を楽しむ品種があります。
育てている南天が、オタフク南天のように花の咲かない品種である場合、
残念ながら、どう頑張っても花を咲かせることはありません。
■参考
・ナンテンの育て方、栽培方法
・ナンテンの実がならない理由は?
・南天とは?
・白南天の育て方