
オランダアヤメとも呼ばれるダッチアイリス
■ダッチアイリス 栽培データ
英名・学名 dutch iris・iris x hollandica
形態 多年草
原産地 地中海沿岸
草丈/樹高 40cm〜80cm
開花期 4月〜5月
花色 白、黄色、オレンジ、赤、ピンク、青、紫、複色
栽培難易度(1〜5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 普通
特性・用途 初心者向き、植えっぱなしOK
■ダッチアイリスの育て方
・栽培環境
日照が良く、風通しの良い場所で育てます。
高温多湿の環境に弱く、過湿の状態になると、
球根が傷むことがあるので注意します。
植え付けた後は、必ず戸外で冬を越します。
寒さを感じることで花芽を分化させる性質があるので、
寒いからと室内で管理すると、花が咲かないことがあります。
ただし、できるだけ霜のあたらない場所で管理しましょう。

ジャーマンアイリスに比べるとフリルなどなくシンプルな美しさです
・植え付け
植え付けの適期は、地植え、鉢植えともに10月〜11月です。
◎地植え
地植えにする場合は、植え付ける2週間ほど前までに、
植え付けるスペースをよく耕しておきます。
また、ダッチアイリスは酸性度が苦手です。
苦土石灰を土に加えてよく混ぜておきましょう。
また、少量の緩効性化成肥料を、
元肥として土に混ぜておきます。
水はけの良い土壌を好みますので、
水はけが悪い場合は、腐葉土や鹿沼土などを混ぜておきます。
植え付ける場所の土を少し盛り上げると、排水性が高まります。
植え付ける深さ、株間ともに10cm〜15cmを目安にします。
◎鉢植え
鉢植えにする場合、鉢は浅鉢ではなく深めのものを選びましょう。
ダッチアイリスは根が深く伸びる性質があるので、
浅鉢では根の生育スペースが少なく、うまく育たないことがあります。
植え付ける球根の目安としては、6号鉢に4つ〜6つです。
使う用土は、市販の培養土では水はけが十分でない場合が多いです。
ですので、中粒の赤玉土か鹿沼土6に、腐葉土4と、
少量の緩効性化成肥料を混ぜたものを使います。
植え付ける深さと株間は、3cm〜5cmです。
地植え、鉢植えともに植え付けが終わったら、
たっぷりと水を与えておきましょう。

和名は球根アイリス、アイリスと言えばダッチアイリスを指します
・水やり
◎地植え
地植えの場合、よほど雨が降らない日が続くなどがない限りは、
降雨だけで十分なことが多いです。
ただし、土にひび割れが起きるくらいに乾燥している時は、
たっぷりと水を与えるようにしましょう。
◎鉢植え
鉢植えの場合は、地植えよりも土の量が少なく、
土が早く乾きやすい環境です。
土の表面が乾いていたら、鉢底から水が出てくるまで、
たっぷりと水を与えましょう。
また、涼しい時期などは、土がなかなか乾かないことがあります。
土がまだ湿っている時に水を与えてしまうと、
過湿の状態になり、球根が傷むこともあるので、水やりは控えます。
必ず水を与える時は、土の状態をチェックして、
乾いていたら与えるようにします。

ダッチアイリスの蕾
・肥料
元肥を与えておくだけで、その後は特に追肥をする必要はありません。
むしろ、多肥の状態になってしまうと球根が腐ったり、
突然枯れたりすることがあるので注意します。
球根を掘り上げずに、植えたままの場合は、
植え付け時期と同じ10月〜11月の間に、
元肥と同じ緩効性の肥料を少量与えておきます。
この時、周りの土と肥料を軽く混ぜておくと良いです。
・花後の管理
花が咲いた後、傷んできたら花茎ごと根元から切り取ります。
傷んだ花をそのままにしてしまうと、
花びらが葉などに付着し、そこから傷んでくることがあります。
また、花ガラをそのままにしていると、
種を作ろうと養分を使い、株が弱ることがあるので、
必ず花ガラは摘むようにしましょう。

株元のようす
・掘り上げ
花が終わり、葉が黄色く変色してきたら、掘り上げの合図です。
球根を傷つけないように掘り上げ、土を落とします。
葉はつけたままの状態で、
2週間〜1ヶ月ほど日陰で干して球根を乾燥させます。
球根が乾いたら、葉と根を取り除いて、
ネットなどの通気性の良いものに入れ、冷暗所で保管します。
数年の間は、掘り上げずに植えたままの状態でも毎年花を咲かせます。
ただし、数年経つと球根が増えて窮屈になり、
花が咲かなくなってくるので、
その場合は掘り上げて球根を整理しましょう。
10月になったら、また植えつけることができます。
■病害虫
あまり病害虫はつきませんが、球根腐敗病にかかることがあります。
本葉が3枚〜5枚出た頃に、突然葉が黄変して枯れる病気です。
症状が出た株は、残念ながら治すことができません。
早急に土ごと掘り上げて処分しましょう。
早めに対処することで、他の株に感染するのを防ぐことができます。
■参考
・ジャーマンアイリスの育て方
*写真協力「お花の写真集」さま
http://www.flower-photo.info/