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早春に良い香りの花をたくさん咲かせます


■ニホンズイセン 栽培データ

英名・学名 narucissus tazetta var.chinensis
形態 多年草
原産地 日本、中国
草丈/樹高 10cm〜50cm
開花期 12月〜2月
花色 白、黄色、複色
栽培難易度(1〜5)  2
耐寒性 強い
耐暑性 普通(休眠)
特性・用途 耐寒性が強い、初心者向き



■ニホンズイセンの育て方

ニホンズイセン(日本水仙)は、「房咲き水仙」の変種で、
芳香の漂う小さな花が愛らしく人気のスイセンです。

ニラに似た葉と球根には毒があるので、
お子さんやペットが誤って食べないように注意してください。

・栽培環境
日当たりがよく、湿気の少ない風通しの良い場所で育てます。
一般的なスイセンよりも開花が早いので、植え付けの時期を守りましょう。


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人気のペーパーホワイトの球根


・球根の選び方
良い球根を選ぶことは、良い花を咲かせることへの第一歩です。
ニホンズイセンの球根は9月頃から店頭に並び始め、
秋が深くなっても並び続けていることが多いです。

しかし、あまり遅くまで店頭に残っている球根は、
乾燥したり傷んでいたりするものもよく混ざっています。

できることなら、よい球根を選べる早い時期に購入します。
球根を選ぶうえでのポイントがいくつかあります。

・大きいもの
・張りのあるもの
・傷のないもの
・変色していないもの
・芽の数が1つ〜2つのもの



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ニホンズイセンの花芽


・植え付け
植え付けは、10月〜11月上旬が適期です。
11月いっぱいまで植え付けることも可能ですが、
ニホンズイセンは他のスイセンよりも芽が出るのが早く、
それまでにある程度の根張りが必要です。

ニホンズイセンは、できるだけ、適期のうちに植え付け、
しっかりと根を張らせるようにします。

◎地植え
地植えにする場合は、植え付ける2週間ほど前に、よく耕しておきます。
元肥として、腐葉土や堆肥を加えて土とよう混ぜておきます。

排水性が良くないと感じたら、
鹿沼土や川砂などを入れて、水はけをよくしておきましょう。

株間は球根1つ分くらい空けておく程度で十分です。
植え付ける深さは、球根の2倍程度の深植えにします。

◎鉢植え
鉢植えの場合は、市販されている草花用培養土で十分です。
水はけを良くするために、腐葉土や鹿沼土などを混ぜても良いです。

植え付ける数の目安は、6号鉢に3つ〜4つです。
鉢植えの場合は、地植えのように深さを確保することができませんので、
芽が出る部分がかろうじて見えるくらいの浅植えにします。

ニホンズイセンを植え付けた後は、
地植えも鉢植えも、水をたっぷり与えておきましょう。


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ニホンズイセン、ペーパーホワイト


・水やり
基本は土の表面が乾いたら、じゅうぶんに水を与えるようにします。

◎地植え
地植えの場合は、降雨だけでも十分な場合が多いですが、
雨が降らない日が続くなどして、土が乾燥するようであれば、
たっぷりと与えます。

◎鉢植え
鉢植えは地植えに比べると乾燥しやすい環境です。
土の表面が乾いたら、鉢底から水が出てくるまでたっぷりと与えましょう。

ただし、ニホンズイセンは過湿には弱いので、
土の表面が湿っている間は、水やりを控えます。

・肥料
あまり肥料を必要としませんが、何度か肥料を与えると、
しっかりと球根を育て、翌年も良い花をつけてくれるようになります。

まず、植え付けた後に芽が地上に出てきたら、最初の追肥を行います。
この時与える肥料は、液体肥料、化成肥料どちらでも構いませんが、
リン酸分が多めのものを与えるようにします。

次に、ニホンズイセンの花後から球根を掘り上げるまでの間に、
月に1回緩効性の化成肥料か、10日〜2週間に1回、液体肥料を与えます。
この時に与える肥料は、カリ分の多めのものを与えるようにします。

いずれの追肥の時も、窒素分が高い肥料を与えると、
株が軟弱に育ったり、葉ばかり茂って花芽をつけないことに、
つながるので注意しましょう。

・花が咲いたら
花が咲き終わったら、花ガラを必ず摘むようにします。
花ガラを摘まずにいると、種を作ろうと養分を使ってしまい、
球根が肥らなくなります。

ただし、ニホンズイセンの葉と茎は花後も、光合成をして、
養分を作る役割がありますので、できる限りそのままにします。

・掘り上げ
7月頃になると、だんだんと葉が枯れてきます。
こうなってきたら、掘り上げのサインです。

球根を傷つけないように、少し離れたところから、
スコップなどで掘り起こします。

土や葉を丁寧に取り除きます。
新しく球根が増えているときは、手で1つ1つ分けておきましょう。

分けた球根は2日〜3日の間、陰干しをして乾燥させ、
通気性の良いネットなどに入れて、冷暗所で保管します。
10月頃になったら、再び植え付けることができます。

また、必ずしもニホンズイセンの球根を毎年掘り上げる必要はありません。
地植えの場合は、特に何もせずそのままにしておいてもかまいません。

ただ、高温多湿には弱いので、夏に西日が当たる場所や、
常に湿気るような場所に植えているのであれば、
できるだけ掘り上げるようにします。

◎地植え
地植えも鉢植えも、何年かすると球根が分球して窮屈になってきます。
数年に1回は掘り上げて、球根を整理し球根の間隔を広げてあげます。

◎鉢植え
鉢植えの場合は、鉢に植えたままの状態で、雨のかからない日陰においておくことで、高温多湿を避けるようにします。


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咲き始めのころも愛らしい


・増やし方
球根を掘り上げた時に、できた子球を分けることで、
球根を増やすことができます。

大きい球根であれば、翌年に開花が期待できますが、
小さいものは何年か肥料を与え太らせる必要があります。

掘り上げた球根の中で、変色しているものや傷の入ったもの、
ぶよぶよと腐ったようになっているものなどがあれば、
何らかの病気にかかっていることがあるので、処分します。

病気にかかった球根を植えてしまうと、
他の健全な球根にも病気が感染してしまい、
最悪の場合には全ての球根を処分することになるので十分注意します。


■病害虫

ニホンズイセンは、ウィルス性の病気にかかることがあります。
葉が変形したり、斑点ができたりという症状が出ます。

ウィルス性の病気にかかった球根は、残念ながら処分する他はありません。
症状の出ている株を発見したら、できるだけ早く掘り上げて、
土ごと処分しましょう。

早めに対処することで、他の株に感染することを防げます。

また、春先になると、アブラムシがつくことがあります。
アブラムシは吸汁して植物を弱らせるだけでなく、
ウィルスを媒介することもあります。

アブラムシがついているのを発見したら、
手でつぶすか粘着テープなどで捕殺するようにしましょう。
また、あらかじめ薬剤を使って防除することもできます。

■参考
・スイセン(水仙)の育て方|翌年も花を咲かせる栽培方法
・スイセン 鉢植えの育て方
・スイセンの掘り上げ方
・スイセンの花つきが悪い理由
・スイセンを花壇へ植える方法
・スイセン球根の選び方
・スイセン 葉の色がおかしいのは?
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