
スイセン、うつむいて咲く美少年ナルキッソスの化身
■スイセン 栽培データ
英名・学名 narcissus
形態 多年草
原産地 地中海沿岸
草丈/樹高 10cm〜50cm
開花期 11月〜4月
花色 白、黄色、オレンジ、複色
栽培難易度(1〜5) 2
耐寒性 強い
耐暑性 普通(休眠)
特性・用途 耐寒性が強い、初心者向き
■スイセン 鉢植えの育て方
・栽培環境
日照の良い場所がとても好きです。
球根を購入した初年度であれば、
日当たりが悪くても開花することが多いです。
しかし球根を肥らせるほど栄養を作ることができないので、
翌年からは立派な開花は期待できません。
排水性が高い土に植え付け、
湿気の少ない風通しの良い環境で育てましょう。

ラッパスイセン、鉢植えならさまざまな品種を楽しめます
・植え付け
スイセンの植え付けは、10月〜11月が適期です。
開花が早い品種などは、植え付け時期が遅れると、
十分に根が張れずに開花しないこともあるので、
できる限り植え付け適期は守ります。
鉢植えにする場合は、鉢底が隠れる程度に鉢底石を入れ、
その上から培養土を鉢の縁から2cm〜3cmほど下まで入れます。
この時に使う培養土は、市販の草花用の培養土で十分です。
ただし、水はけが悪いようなら、腐葉土などを入れて排水性を良くします。
球根植物専用の培養土も販売されていますので、
そちらを使ってみても良いでしょう。
◎植え付けのコツ
植え付ける球根の数の目安としては、6号鉢に3つ〜5つです。
球根の品種や大きさにより、個数は変わりますので、
購入した球根のパッケージに書かれている株間を、
きちんと確認してから植えましょう。
球根を植える際は、球根の首の部分が少し見える程度か、
軽く隠れる程度の浅植えにします。
鉢植えの場合は、土の深さに制限があるため、
根の生育スペースが限られています。
その鉢の限られたスペースを、できる限り広くとるため、
必ず浅植えにするのが、スイセンの植え付けのコツです。
植え付けが終わった後は、
鉢底から水がでてくるまでたっぷりと与えておきます。
・水やり
基本としては、土の表面が乾いたら、
鉢底から出てくるまでたっぷりと水やりをします。
ただし、冬の間は土が乾きにくくなります。
土の状態をチェックして、乾いていない時には、
水を与えないようにしましょう。
スイセンは過湿に弱い植物です。
過湿の状態が続くと、球根が腐ったり、
根が傷んだりする原因になります。
春になって暖かくなってきたら、
土がだんだんと乾きやすくなってきます。
花が終わった後も、夏までの間は葉が残り、
光合成をするので、土の表面が乾いていたら水を与えましょう。

八重のスイセン
・肥料
スイセンは年間を通して、あまり肥料を欲しがりません。
むしろ多肥にしてしまうと、球根が腐ったり、
突然枯れたりすることがあるので控えめに施肥をします。
植え付けてから芽が出るまでは、特に肥料を与えなくて大丈夫です。
芽が出てきて、生育期に入ったら、リン酸分の多い肥料を与えます。
この時与えるのは、少量の化成肥料か、
規定通りに薄めた液体肥料です。
花後は、カリ分の多いものか、窒素・リン酸・カリが、
同等に配合されている肥料を与えます。
緩効性の化成肥料なら、花後に1回。液体肥料なら、
規定通りに薄めて2週間〜3週間に1回くらいのペースで十分でしょう。
4月を過ぎたら、肥料を与えるのをやめます。
この頃は球根が肥大してくる時期です。
肥料を与えてしまうと、
球根が腐る原因にもなるので注意します。
植えたままの状態にしている場合は、
植え付け時期と同じ10月〜11月にも追肥を行います。
植え替えをする場合は、元肥入りの培養土を使っていれば、
それ以上に肥料を入れる必要はありません。
この時の肥料は、少量の緩効性肥料を与えます。
・花後の管理
花が咲いて傷んで来たら、花ガラ摘みを行います。
花ガラ摘みを行うことで、種ができて球根が消耗するのを防ぎます。
ただし、摘むのは花ガラだけで、茎と葉は残すようにしましょう。
花が咲いた後も、葉と茎には光合成をする役割があります。
必ず切らずに残すようにしましょう。

スイセンの蕾
・掘り上げ
初夏頃、気温が上がってくると、葉がだんだんと枯れてきます。
7月に入ったら、球根を掘り上げる時期です。
鉢ごとひっくり返し、土ごと球根を鉢から抜きます。
土を丁寧に落とし、葉や根を取り除きます。
球根が増えている場合は、このタイミングで1つ1つに分けておきます。
日陰で2日〜3日干して乾燥させたら、
ネットなどの通気性のいいものに入れます。
雨が当たらず、日陰で風通しのいい涼しい場所で保管しましょう。
秋になったら、また植えつけることができます。
また植えたままの状態でも夏越しさせることができます。
葉が枯れたら、枯れた葉を取り除いて、
雨の降りかからない日陰に、鉢ごと移動させます。
真夏に雨に濡れてしまうと、
高温多湿の環境を作ってしまい、球根が腐ることもあるので、
必ず雨のかからない涼しい場所で管理するようにしましょう。
秋になったら、また日当たりのいい場所で、管理します。
ただし、植えっぱなしの状態が続くと、
鉢の中が増えた球根でいっぱいになります。
2年〜3年に1回は掘り上げて、球根の整理をするようにしましょう。

ペチコートスイセン(ナルキッスス・ブルボコディウム)
■病害虫
あまり病害虫がつきませんが、アブラムシが春先につくことがあります。
アブラムシは植物の葉や茎などにくっついて、吸汁する害虫です。
たくさんのアブラムシに吸汁されることで、植物自体も弱りますし、
アブラムシが病気を媒介することもあります。
春先になったらよく株を観察し、
アブラムシがついていないかを確認しましょう。
もしついていたら、手でつぶすか、粘着テープで捕殺します。
また、あらかじめ専用の薬剤を使って、
防除しておくのも効果的です。
■参考
・スイセン(水仙)の育て方|翌年も花を咲かせる栽培方法
・スイセンの掘り上げ方
・スイセンの花つきが悪い理由
・スイセンを花壇へ植える方法
・スイセン球根の選び方
・スイセン 葉の色がおかしいのは?