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種からの発芽には2〜5年、開花するまでにさらに2年かかります


■ヤマユリ 栽培データ

英名・学名 lilium auratum
形態 多年草
原産地 日本
草丈/樹高 120cm〜200cm
開花期 7月〜8月
花色 白地に黄色いラインが入り、エンジや褐色の斑点が入る(斑点がないものもある)
栽培難易度(1〜5)  3
耐寒性 強い
耐暑性 普通
特性・用途 背丈が高い、芳香性(濃厚で強い)



■ヤマユリの育て方

・栽培環境
ヤマユリは日本の山に自生するユリです。
そのため、日当たりの良すぎる場所より、
午後から日陰になる半日陰や、明るい日陰のような場所を好みます。

・植え付け
10月〜11月が植え付けの適期です。
・地植え
地植えにする場合は、植え付ける2週間以上前に、
30p以上の深さまで、よく耕します。

1uあたり、苦土石灰を100gほど混ぜて、土の酸性度を調整します。
元肥として、化成肥料も少量だけ混ぜておきます。

水はけが悪い場合は、鹿沼土や川砂などを適量混ぜ込み、
水はけの良い土にしておきましょう。


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地植えの植え付け


・鉢植え
鉢植えの場合は、草花用の培養土でじゅうぶんです。
ただし、水はけが悪い場合は、地植えと同じように、
鹿沼土や川砂を混ぜて水はけをよくしておきます。

最近では、ユリ専用の培養土も販売されていますので、
そちらを使っても良いでしょう。

ヤマユリは球根の下から根を生やしますが、
球根の植えから伸びる茎の途中にも根を生やします。

特に茎から生える根は、芽が出てからの生育に重要な部分になるので、
生育範囲が狭くならないように、必ず深植えにするようにします。
植え付ける時は、球根の3倍〜4倍くらいの深さに植えるようにします。

鉢植えの場合は、30cm以上の深さがあるものを選びます。
植える数の目安としては、球根の大きさにもよりますが、10号鉢に2個〜3個です。
鉢植えの場合も、植え付ける深さは球根の3倍くらいを目安にします。


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鉢植えの植え付け


・植え替え
ヤマユリは連作障害の出やすい植物です。
・地植え
地植えにしている時は、3年に1回くらいのペースで植える場所を変えます。
・鉢植え
鉢植えの場合は、毎年植え替えるか、1年おきに植え替えましょう。
植え替える際は、新しい用土を使うようにしましょう。

・水やり
・地植え
地植えの場合は、降雨だけでも生育できることがほとんどです。
ただし、真夏などに雨が降らない日が続き、
土が乾燥していると感じたら、水をたっぷり与えるようにします。
・鉢植え
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、
鉢底から水が出るまでたっぷりと与えます。

半日陰や明るい日陰という環境を好むので、
日当たりの良い場所よりは乾きにくいことが多いです。

ただし、開花期が近くなると、草丈もぐんぐん伸びて、
水の吸い上げが強く、水を欲しがります。

気温も高くなり、土が乾きやすくなるので、
朝と夕に土のチェックを行いましょう。
朝に水を与えても、夕方に土の表面が乾いている場合は、
夕方にも水を与えるようにします。

・追肥
植え付けをしてから、芽が出てくるまでは追肥の必要はありません。
春になって芽が出てきたら、9月まで2ヶ月に1回くらいのペースで、
緩効性の肥料を少量与えるようにします。

あるいは、芽が出てきてから9月頃まで、2週間に1回くらいのペースで、
規定より薄めにした液体肥料を与えるようにしましょう。

ヤマユリは多肥にすると、突然枯れてしまったり、
球根が腐りやすくなったり、貧弱に育つことがあるので、
なるべく多肥にしないように気を付けましょう。


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ヤマユリの花は、直径20cmにもなります


・支柱立て
ヤマユリはとても草丈が高くなります。
そのため、支柱なしで育てていると、花の重みなどで倒れてしまうことがあります。

芽が出て30cmほど伸びてきたら、200cm以上の支柱を立てましょう。
ただし、株元すぐの場所に立ててしまうと、地中の球根を傷めることがあります。
株元から10cm〜15cmほど離れた場所に、支柱を立てます。

また、鉢植えの場合は鉢ごと転がってしまうことがあります。
鉢の周りを重いもので固定させたりして、転がらないように配慮しましょう。

・花後の管理
花が咲き始めたら、まずは花を楽しみましょう。
ヤマユリはついた蕾の上から順番に花を咲かせます。
充実した株になると、10輪以上咲かせることもあるのです!

いっせいには開花せず、順番に開花するので、枯れるのも順番です。
花びらが茶色くなってきたり、落ちたりして、
花が枯れてきたと感じたら、花ガラを摘みましょう。

花ガラをそのままにしてしまうと、そこで種を作ろうとしてしまいます。
種を作るのに養分が使われてしまい、肝心の球根が育たなくなります。
種を採取しないのなら、花ガラ摘みを忘れずに行います。


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自生するユリの中では、強い芳香が魅力のヤマユリ


■病害虫

アブラムシがつくことがあります。
専用の薬剤で防除するか、数が少ないうちに、
粘着テープなどで捕殺するようにしましょう。

■参考
・ユリ 育て方 12ヶ月
・カノコユリ(鹿の子百合)の育て方
・カサブランカ(ゆり、百合)の球根の植え方
・鉄砲百合(てっぽうゆり・テッポウユリ)の育て方
・黒百合(クロユリ)の育て方、栽培方法
・スカシユリ アジアティックハイブリッドの育て方
・マドンナリリーの育て方
・ユリの葉が枯れる、落ちる
・ユリ 良い花を咲かせるには?
・ユリ 球根が腐る理由は?
・ユリ根とは?|手軽に育てられる高級食材
・ユリ 球根の耐寒性が心配です
・ユリの球根がなくなる理由は?
・ユリの球根が小さくなる理由は?
・ユリ球根 大きさと花数は関係ありますか?
・ユリの植え替えは毎年必要ですか?
・ユリの植え場所は?
・アブラムシ 駆除、農薬を使わずに効く方法
◎カサブランカの育て方
◎ユリの増やし方 画像つき
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