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ジュード・ジ・オブスキュア(Jude the Obscure)八重で良く返り咲きます


イングリッシュローズの育て方を初心者から中級者のかたに、
バラの生長に沿って、わかりやすく育て方を解説しています。

イングリッシュローズ(English Rose)は、
イギリスのデビット・オースチン(David Austin)が作出したものです。

オールドローズのようなクラシックでエレガントな花型と、
モダンローズの色の豊富さと香り、四季咲き性とを併せ持っています。

イングリッシュローズは、耐陰性、耐病性のある頑健な品種が多くあり、
早くから花を咲かせるので、初心者にも育て方の優しいバラです。


[イングリッシュローズの育て方]


■栽培環境

イングリッシュローズは、
基本的には、日当たりの良い場所で育てるようにします。
ただし、耐陰性がある品種もあるので、
育てる環境によって、品種を選びましょう。

真夏の強い直射日光が当たると、葉焼けを起こしたり、
土の温度が上がり過ぎて根を傷めたりすることがあります。

鉢植えなら半日陰に移動、地植えの場合は遮光ネットを張る、
などの対策で、陰を作ってあげましょう。

また、イングリッシュローズに西日が当たるのもよくありません。
西日が鉢や株元に当たることで、土の乾燥を早めたり、
土の温度が上がって根を傷めることがあります。

イングリッシュローズの品種によって性質は様々です。
育てたい品種がどのような特性があるかを知り、
それに合わせた環境を作ってあげましょう。


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ピエール・ドゥ・ロンサール(Pierre de Ronsard)初めてでも育てやすいつるバラ


■苗の選び方

・新苗(1年生苗)
接ぎ木をしてから1年未満のものが新苗として、3月〜6月頃まで出回ります。
接ぎ木をしてから数か月しか経っていないので、
株自体がまだ小さく、その分値段も安いものがほとんどです。

ただ、株が小さいのでまだ弱いのと、株を充実させるために、
その年は蕾がついても、あまり咲かせることができません。

・大苗(2年生苗)
接ぎ木した苗を、1年以上育苗した苗で、10月〜翌年3月頃まで店頭に並びます。
株が充実しているので、植え替え後の失敗が少なく、
春以降は蕾がつけば花を咲かせることができ、育て方が優しいです。

ほとんどの場合は落葉し、枝を切りつめた状態で売られているので、
驚くかたもいますが、枯れているわけではないので安心してください。。


■植え付け

・新苗
イングリッシュローズは、基本的には新苗が出ません。
春以降に販売されているのは開花直前〜開花した株が、
鉢植えで売られていることがほとんどです。
そのため、春以降の植え付けは、植え替えに準じます。

・大苗
イングリッシュローズの大苗は11月〜12月頃になると、店頭に並び始めます。
この頃に苗を購入し、すぐに植え付けを行えば、
春までに根付き、春以降の生育がよくなります。


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ティージング・ジョージア(Teasing Georgia)花の色が淡く変化し香りも最高です*


◎地植え
イングリッシュローズを植え付ける場所はあらかじめ耕しておきます。
深さ、広さともに30cm〜40cmほど土を掘ります。

掘り上げた土と完熟堆肥をよく混ぜて、穴に戻します。
この作業を植え付ける2週間〜4週間ほど前に行っておくと、
土と堆肥がなじみ、良い土となります。

イングリッシュローズを何株か並べて植える時は、
株間を最低でも60cmはとるようにします。
購入時に苗が小さくても、育つうちに大きくなるものが多いです。

バラをポットから抜き、手で根鉢をくずします。
大苗の場合は、掘り上げた苗を、
そのまま販売用ポットに詰めていることが多く、
ほとんどの場合は、手でもすぐにほぐれます。

落とせるだけ土を落としたら、
水を張ったバケツに1時間ほど苗を入れておきます。

こうすることで、イングリッシュローズの植え付け後の根付きが早くなります。
接ぎ木テープがついている場合は、ここではずしてしまいます。

水上げをした苗を、土を作った場所に植え付けます。
植え付ける時は、植え穴をあけてからそこに根を広げるようにして置き、
土を入れて穴を埋めます。

この時、割りばしなどの棒を使って土をつついて、
根の隙間にも土がしっかり入るようにします。

イングリッシュローズの接ぎ木苗の場合は、
接ぎ木部分が土に埋まらないように注意しましょう。
植え付けた後は、たっぷりと水を与えておきましょう。

◎鉢植え
鉢は8号以上のものを用意します。
最近ではバラ用の鉢も売られているので、
そちらを利用してもいいでしょう。

苗をポットから抜き、土をほぐします。
土は無理にほぐさずに、手でほぐれる分だけほぐしておくようにします。

バケツなどに水を張り、土を落とした苗を1時間ほどつけて水上げをます。
接ぎ木テープが残っている場合は、ここではずしておきます。

鉢に鉢底石を敷き、用土を鉢の三分の一ほど入れます。
その上に水上げをした苗を置き、
高さが問題なければ根を広げるように置いて、
土を入れて植えつけます。

使う用土は、バラ専用の培養土を使えば失敗が少ないので安心です。
土を入れる際に、割りばしなどでつついて、
根の隙間に土がしっかり入るようにしておきましょう。

植え付けが終わったら、鉢底から水が出る程たっぷりと水を与えます。


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グラミス・キャッスル(Glamis Castle)低めでブッシュ状に茂ります


■水やり

◎地植え
降雨だけで過ごせることがほとんどですが、
真夏など乾燥しやすい時期に何日も雨が降らない場合は、
土の深くまでしっかり染みこむように、たっぷり水を与えます。

蕾がついていたり、開花している時は、
花に水がかからないように注意しましょう。

◎鉢植え
土の表面が乾いていたら、鉢底から水が出る程たっぷりと与えます。
夏の間など、土が乾燥しやすい時期は、朝に水を与えても、
夕方に土をチェックして乾いているようなら、水を与えるようにします。

冬の間は、気温も低く、休眠期のため水の吸い上げもほとんどないので、
土の表面が乾いて数日経ってから、水を与えるようにします。


■肥料

◎地植え
落葉期である12月〜2月の間に元肥を1回、生育期である3月〜9月に、
発酵済み有機肥料を月に1回か化成肥料を月に2回与えるようにします。

◎鉢植え
まだ芽が動きだす前の2月〜生育が落ち着く9月まで、
有機質の置き肥を月に1回か、化成肥料を月に2回与えます。


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ソフィーズ・ローズ(Sophy's Rose)育て方が容易で四季咲き性の丈夫なイングリッシュローズ*


■植え替え

・鉢植えから地植えへ
春の花が落ち着いてくる5月〜6月頃が適期です。
植え付ける場所は、2週間〜4週間ほど前に深さ、
広さともに30cm〜40cmに掘ります。

掘り上げた土と完熟堆肥などをよく混ぜて、穴に戻しておきます。

植え穴を掘り、鉢から抜いた株を根鉢は崩さずそのまま植えつけます。
接ぎ木の場合は、接ぎ木部分が埋まらないように注意します。
植え付け後は、水をたっぷり与えておきましょう。

・植え替え(鉢を大きくする)
春の花の蕾が色づいてくる4月下旬〜6月上旬が適期です。
春に植え替えをする場合は、根鉢は崩さないように、
一回り大きい鉢(つる性の場合は二回り大きい鉢)に植え替えます。

・植え替え(鉢の大きさを変えない) 
鉢の大きさを変えたくない場合は、落葉期の1月〜3月が植え替えの適期です。
この時期は休眠期なので、根を動かすことができます。

鉢から株を抜き、手で根鉢を半分ほど崩します。
黒くなって傷んでいる根を切って取り除きます。

残った根を三分の一ほど切り、元の鉢に植え戻します。
植える時は、根の間に土がしっかり入るように、
棒でつついたり、鉢をゆすったりしましょう。

植え替えた後は、鉢底からしみ出てくるまで、
たっぷりと水やりをしておきましょう。


■中耕

土の表面が硬くなってしまうと、水や養分が入りにくくなります。
そんな時は、中耕を行うのが効果的です。
土の表面を軽く耕すことで、水や養分が入りやすくなります。


■芽かき

春になり、イングリッシュローズの新芽が伸びてくると、
1か所から複数の芽が伸びることがあります。

そのまま芽を伸ばしてしまうと、枝が混みあってしまうだけでなく、
栄養が分散してしまうので、良い芽1つだけを残し、
他は手で摘んで取り除いておきます。


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挿し木で増やすことができます


■増やし方

挿し木で増やすのが一般的ですが、
品種によっては発根しにくいものもあります。

まだ緑色をしている15cmほどの葉付きの枝を挿し穂として用意します。
切り口が斜めになるように切り直し、水の入った瓶などに挿します。

水挿しの場合は、毎日水を交換しながら発根するまで、
水に挿したまま明るい日陰で管理します。

鉢やプランターに小粒の赤玉土やバーミキュライトを入れ、
1時間ほど水上げした挿し穂を優しく挿して、明るい日陰で乾かないように管理します。
>>バラ 挿し木の方法 画像つき


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ヨトウムシ、ハダニ、アブラムシなどに注意します


■病害虫

イングリッシュローズがかかる病気はいくつかありますが、
代表的なものが、黒い斑点ができるコクテン病、
白い粉をふったようになるうどん粉病があります。

いずれも土の跳ね返りなどで葉裏に菌が付着して症状が出たり、
風通しが悪い環境になっていて症状が出たりというのが主な原因です。
育て方を工夫して行けば、発病も少なくなります。

害虫もたくさんの種類があり、対処法は様々です。
病気の症状が出たり、害虫を発見してから専用の薬剤で治療するよりも、
定期的に薬剤を散布し、予防しておいた方がダメージを受けず安心です。

最近は複数の病気や害虫の防除ができる、
すでに薬剤が混合されているスプレータイプのものもあります。

イングリッシュローズの数がまだ少ないうちは、
こういった薬剤を使うことで総合的に対応できます。

コガネムシなどの害虫が、土中に卵を産まないように、
マルチをするのも効果的です。

*印のお写真は、「ローズ・ブランシュ」さまにお借りしました。
http://bara.hanasozai.com/


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[イングリッシュローズの剪定]


■切る時のポイント

・芽の選び方
先が丸く、詰まってしっかりしているのが良い芽です。
選んだ良い芽から5mmほど上を、切り口が斜めになるように切ります。

・芽の方向
よく見ると、枝に対して芽の方向があります。
株の内側に出ている芽は、内側に伸びるので、
内側の芽ばかり残すと、株の中心が混みあってしまいます。

外側に向いている芽と、内側に向いている芽の、
バランスを見るようにしましょう。

◎冬の剪定
落葉している1月〜2月の間に、剪定を行います。
特に木立性のバラは、思い切って枝を切ることで、
良い芽が発生して育ち、良い花を咲かせます。


■四季咲き性のバラ
まずは、枯れた枝、細い枝、短すぎる枝、
元気のない古い枝を根元から切ります。

弱い枝を残しておくと、栄養が分散されて、
本来育ってほしい良い枝の生育が悪くなります。

枝数が少ない時は、小枝でも残しておきたくなりますが、
良い枝がある以上は、良くない枝は切ってしまうようにしましょう。

枝数が多く混みあっている場合は、間引き剪定を行うようにします。
枝が混んでいると風通しが悪くなり、
病気にかかったり、害虫がつく原因になります。

不要な枝を切った後、残った枝を半分くらいの高さになるように切ります。
枝それぞれの長さを半分にするのではなく、
株全体の高さを半分にするように切ると、樹形がまとまります。
また、株を小さくしたい場合は、三分の一の高さになるように切ります。


■一季咲き・返り咲きのバラ

このタイプのバラは、枝の数や芽の数を多く残すようにします。
そのため、四季咲き性のバラのような強い剪定はせず、
ごく浅く剪定を行います。先から三分の一以上は切らないようにしましょう。

枯れた枝、細い枝、短すぎる枝、元気のない古い枝を、
根元から切るのは、四季咲きと同じです。

枝数は多い方がいいですが、
混みあっている状態であれば、間引き剪定を行います。

残った枝を、株全体の樹形を見ながら、
三分の一以上切らないように注意して、先端を軽く剪定します。

◎秋の剪定
四季咲き性の品種のみ、8月中旬〜9月中旬の間に秋の剪定を行います。

まずは、株の内側に伸びている短い枝(ふところ枝)や、
細く弱い枝を根元から切ります。
次に、枝先から四分の一くらい切ります。
この時も、枝1本1本の長さを見るのではなく、株全体を見て切りましょう。

◎花ガラ切り
・四季咲きの木立性
伸びた枝の半分くらいの位置で切るようにします。
大きい葉の上で切ることにより、光合成が促されて、良い芽が伸びてきます。

・四季咲きの半つる性
つる性のものと同じように仕立てる場合は、
花の下に生えている最初の5枚葉のところで切ります。

木立性のように仕立てる場合は、枝の半分のところで切るようにします。
短く切る時は、大きな葉が4枚〜5枚以上残るように切りましょう。

■参考
・初心者対象! バラの育て方と栽培方法|庭植えから鉢植えまで
・日陰で育つバラ
・バラの育て方12ヶ月
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